ヒーハイスト、18年以来の高値圏、26年3月期は黒字転換・増配へ、スマート生産で収益回復加速

 ヒーハイスト<6433>(東証スタンダード)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。工作機械や半導体製造装置等に使用される直動機器を主力として、精密部品加工やユニット製品も展開している。成長戦略としては自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。26年3月期は2桁増収・黒字転換で増配予想としている。直動機器のスマート生産を実践して生産増強および販売拡大を図る方針だ。中長期的には直動機器の需要拡大が予想され、積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は地合いが悪化するなかでも年初来高値を更新し、18年以来となる高値圏まで急伸する場面があった。目先的にはやや乱高下する可能性もあるが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。リニアボールブッシュは機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。独自の球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、工作機械や半導体製造装置等に使用されるリニアボールブッシュや球面軸受けなどの直動機器、レース用部品や試作部品の受託加工などの精密部品加工、液晶製造装置向けなどのユニット製品を展開している。成長戦略としては自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。

 25年3月期の部門別売上高は直動機器が13億65百万円、精密部品加工が6億80百万円、ユニット製品が1億98百万円、主要販売先別売上高はTHK<6481>が11億73百万円、本田技研工業<7267>が6億16百万円、その他が4億56百万円だった。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

■生産能力向上と採算性向上を推進

 経営ビジョンには「リニアブッシュ・アジアNO.1」を掲げ、自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。

 中期経営計画(毎期ローリング方式、24年3月期~27年3月期)では、27年3月期の計画値として売上高28億63百万円、売上総利益6億27百万円、売上総利益率21.9%、営業利益1億39百万円、営業利益率4.9%を掲げている。株主還元については27年3月期までに配当性向20~30%に強化する方針としている。また25年3月末より株主優待制度を新設した。

 事業戦略としては、設備投資・生産数量の確保による安定生産、人的資本投資等への成長を継続する。また製品群の見直し(スクラップ&ビルド)として低採算製品からの撤退を検討し、リソースを高収益製品に集中することで採算性向上を推進する。なお25年3月にはマレーシア市場の開拓、ステージのメカニカルおよび電気制御の技術的な相互補完を目的として、マレーシアのMIRAI社とパートナーシップ契約を締結した。

 24年4月には人的資本経営の一環および株式市場での流動性向上を図ることを目的として、社員持株会の奨励金付与率を現行の5%から50%に引き上げた。24年6月にはヒーハイストCSR活動方針を策定した。24年8月には埼玉県の多様な働き方実践企業におけるプラチナランクの認証を受けた。24年11月には埼玉県SDGsパートナーとして登録された。25年1月には秋田県SDGsパートナーとして登録された。25年8月には埼玉県の健康経営実践事業所として認定された。25年9月には健康保険組合と協力して健康企業宣言を行った。

 25年8月には、下請法の改正法として26年1月から施行される中小受託取引適正化法に関して、関係キーマン数十名がセミナーを受講し、対応を確認した。25年10月には、早稲田大学、テムザック、村田製作所、SREホールディングスが、日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指す新団体として設立した一般社団法人KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)に参画した。

■26年3月期黒字転換予想

 26年3月期連結業績予想は売上高が前期比10.8%増の24億86百万円、営業利益が68百万円(前期は1億21百万円の損失)、経常利益が57百万円(同1億89百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が34百万円(同2億03百万円の損失)としている。配当予想は前期比1円増配の2円(期末一括)としている。予想配当性向は36.3%となる。

 品目別売上高の計画は、直動機器が17.7%増の16億07百万円、精密部品加工が11.8%減の6億円、ユニット製品が40.0%増の2億78百万円としている。営業利益の前期比1億89百万円増加の要因別増減見込みは、販売数量増加で1億21百万円増加、価格改定効果で90百万円増加、選択と集中で30百万円増加、販管費増加で46百万円減少、為替影響で0百万円、その他で6百万円減少としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比10.8%減の4億64百万円、営業利益が49百万円の損失(前年同期は54百万円の損失)、経常利益が58百万円の損失(同52百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が45百万円の損失(同38百万円の損失)だった。

 主力の直動機器の需要回復遅れなどで減収・赤字だった。部門別売上高は、直動機器が工作機械関連の需要回復遅れや中国市場からの受注停滞の影響で23.1%減の2億75百万円、精密部品加工がレース用部品の減少で11.7%減の1億04百万円、ユニット製品が半導体製造装置向けステージ製品や中国市場の医療用分析機器および半導体関連装置向け球面軸受の増加で92.6%増の84百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いている。第1四半期は減収・赤字だったが、強化した生産設備の生産能力を生かした直動機器のスマート生産を実践し、生産増強および販売拡大を図る方針だ。また利益率が低い型番のスクラップ・アンド・ビルドも推進する。中長期的には直動機器の需要拡大が予想され、積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末対象、25年3月末より実施

 株主優待制度については毎年3月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象にQUOカード3000円分を贈呈する。25年3月末より実施した。

■株価は18年以来の高値圏まで急伸

 株価は地合いが悪化するなかでも年初来高値を更新し、18年以来となる高値圏まで急伸する場面があった。目先的にはやや乱高下する可能性もあるが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。10月14日の終値は588円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS5円51銭で算出)は約107倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS451円86銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約37億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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