ロッキード・マーティン傘下のシコルスキー、ブラックホークを完全自律型無人機に改造、新試作機「U-Hawk」開発完了

■自律制御とフライバイワイヤ技術でパイロット不要、26年初飛行予定

 ロッキード・マーティン(NYSE:LMT)傘下のシコルスキーは10月13日、UH-60Lブラックホークを完全自律型の多用途無人航空機「S-70UAS U-Hawk」に改造したと発表した。操縦席や座席を除去し、代わりにクラムシェル型ドアと自動ランプ、さらにMATRIX自律飛行技術を備えたフライバイワイヤ制御を搭載することで、パイロット不在での作戦遂行が可能となった。一般的なブラックホークと比較して貨物スペースは25%拡張され、長尺貨物、無人地上車両、偵察ドローンなどを柔軟に搭載できる。初飛行は2026年を予定している。

 U-Hawkは、従来のUH-60Lよりも60%広いキャビンを活かし、ミサイル搭載やインターモーダルコンテナ最大4個の輸送、長時間滞空・航続など多様なミッションに対応できる設計となっている。外部カーゴフックで最大4,080kgの物資吊り下げ輸送も可能で、クラムシェルドアの開閉や離陸準備もタブレット端末による簡単な操作で完結する。操縦はオペレーターがタブレットを用いて行い、飛行計画はMATRIXが自動で生成する。

 この機体は、既存のUH-60との共通設計を活かしながら、無人化によって運用・整備コストの大幅な削減を実現する。設計と製造はシコルスキー・イノベーションが主導しており、短期間かつ量産可能な手法で迅速に試作機を完成させた。今後は改修効率の知見をUAS製品群全体に応用し、より多くのユーティリティ航空機の自律化を目指す方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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