【首都圏本社移転調査2025】5年ぶり転入超過、転入363社で最多

■成長企業の首都圏回帰鮮明

 帝国データバンクは2月26日、首都圏「本社移転」動向調査(2025年)を発表した。2025年に地方から首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)へ本社を移転した企業は363社と、1990年以降で最多となった。首都圏から地方への移転は325社で、差し引き38社の転入超過となり、5年ぶりに転入が転出を上回った。

■転入363社が過去最多、転出は減少に転じる

 転入社数は前年(296社)から67社・22.6%増加し、2年ぶりに300社を超えた。一方、転出社数は前年(363社)から38社・10.5%減少した。転入超過の38社は、最も多かった2015年(104社の転入超過)の約3分の1規模ながら、コロナ禍の2020年(8社)以来、5年ぶりに首都圏の吸引力が上回った。

■大阪・福岡など西日本から首都圏へ、港区など都心部に集中

 転入元は大阪府(69社)が最多で、福岡県(37社)、愛知県(35社)、茨城県(30社)が続いた。転入先は東京都港区(56社)が最も多く、千代田区(37社)、中央区(34社)、渋谷区(26社)の順で、都心主要区への集積が目立った。首都圏からの転出先でも大阪府(38社)が最多で、群馬県(28社)や沖縄県(14社)など、郊外・隣接県への移転に加え、観光や半導体関連の地域へ動く例がみられた。

■サービス業160社で過去最多、転入は中小企業が8割超

 業種別では首都圏への転入はサービス業が160社で最多となり、3年連続で増加し過去最多を更新した。ソフトウェア受託開発やパッケージソフトウェアなどIT企業の移転が多く、関東以西からの転入が目立った。売上規模では売上高10億円未満が転入全体の81.8%を占め過去最高となり、規模拡大を狙う中小企業の首都圏志向が強まった。

■地方移転は「全面」から「機能分散」へ、次局面は精査段階

 転入企業のうち前年から増収となった割合は39.4%で、転出企業の34.2%を上回った。対面営業の復活や人材採用、情報収集など首都圏に本社を置く利点が再評価される一方、地方移転はコスト削減や助成金といった「モノ・カネ」中心から、移転効果を精査する局面に入った。同社は、災害対応を含む本社機能の分散やサテライトオフィス活用など、首都圏の利便性と地方の環境を両立させる拠点再構築へトレンドが変化する可能性を示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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