【どう見るこの株】児玉化学工業は3Q決算発表に先回りV字回復業績を最割安株買い

どう見るこの株

■メプロHD買収で純利益223億円超の黒字転換

 児玉化学工業<4222>(東証スタンダード)は、前日20日に1円高の700円と小幅ながら4営業日続伸して引け、75日移動平均線水準での下値確認に煮詰まり感を強めた。同社株は、来月11月13日に今2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を予定しているが、これに先回りして純利益が、今期第1四半期(2025年4月~6月期、1Q)業績と同様に大幅黒字転換してV字回復が再確認できるとして全市場・全銘柄の低PERランキングで第1位となる最割安株買いが増勢となった。同社のPERは、期初の通期予想ベースでは0.54倍となるが、今期1Q実績ベースでは、0.48倍とさらに割安となる。

■負ののれん発生益220億円超の寄与で1Q純利益は大幅黒字転換

 同社が今年8月8日に発表した今期1Q業績は、売り上げ200億8700万円(前年同期比5.20倍)、営業利益4億2700万円(前年同期は1000万円の黒字)、経常利益700万円(同700万円の赤字)、純利益223億8400万円(同8300万円の赤字)とV字回復した。今年4月にメプロホールディングス(東京都千代田区)の株式を取得して子会社化し樹脂加工の児玉化学と金属加工のメプロHDが融合した効果が早くも業績に寄与した。樹脂成形事業の売り上げは40億7500万円、セグメント利益が2億5100万円、金属加工の鋳鍛造事業が同様に120億4400万円、3億4800万円、粉末冶金事業が33億6700万円、5300万円の赤字となり、純利益は、メプロHD買収による負ののれん発生益220億5700万円を計上し大幅黒字転換した。

 今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ750億円(前期比4.73倍)、営業利益12億円(同7.38倍)、営業利益6億5000万円(同6.64倍)、純利益223億8400万円(前期は1億3200万円の赤字)と見込んでいる。とくに純利益は、1Q実績が通期予想を23億8400万円上ぶれて着地したが、メプロHDの取得原価の配分が完了しておらず負ののれん発生益が今後変動する可能性があるとして見直しを行わなかった。11月13日予定の今期2Q決算発表時の業績ガイダンスが注目されている。

■PER0.5倍の超割安修正で75日線をスプリングボードに年初来高値奪回に再発進

 株価は、今年2月のメプロHD子会社化の正式発表とともに開示した前期第3四半期業績のV字回復と3月期通期業績の下方修正が綱引きしたが、ストップ高して560円高値まで買い進まれ、トランプ関税による世界同時株安時には年初来安値303円に突っ込んだ。同安値後は、今期業績のV字回復予想発表で2日間のストップ高を交えて635円まで上値追いし、今期1QV字回復業績発表でも2日間のストップ高を交えて年初来高値1024円と買われる業績感応度の高さを発揮した。同高値後は、全般相場波乱の影響もあり640円まで調整し足元では75日移動平均線で下値を確認する動きを続けてきた。PERは今期通期予想ベースでは0.54倍だが、今期1Q実績ベースでは0.48倍とさらに超割安となる。75日線をスプリングボードに年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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