【どう見るこの株】フーバーブレイン、大幅増収増益でバリュー株買い活発化、M&A効果発現と旺盛な事業環境が寄与

■GC示現、割安なPER水準も魅力

 フーバーブレイン<3927>(東証グロース)は、前日10日に12円高の872円と続伸して引け、取引時間中には881円と買われる場面もあり、5月27日につけた年初来高値933円を視界に捉えた。今2025年3月期業績が、大幅増収増益と予想され、連続して過去最高業績を更新することを手掛かりにバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも足元の株価上昇で25日移動平均線が75日移動平均線をブレークするゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化しており、フォローの材料視されている。

■利益率の高いセキュリティ製品が続伸しITサービスもM&A2社が上乗せ

 同社の今2026年3月期業績は、売り上げ56億円(前期比28.1%増)、営業利益2億5500万円(同36.1%増)、経常利益2億5000万円(同50.6%増)、純利益4億円(同2.64倍)と予想され、3ケタ増益で着地した前期業績に続く大幅増益で、純利益は連続して過去最高を更新する。「セキュリティ&ネットワークaas製品」や「働き方改革製品(Saas型)」などの利益率の高いセキュリティ製品が続伸し、ITサービスでは昨年9月、10月にM&Aによりグループ化した2社がフル寄与し、子会社の投資先のデジタルグリッド<350A>(東証グロース)が、今年4月に新規株式公開(IPO)されたことで3億8500万円の株式売却益を計上することもオンする。

 事業環境も、ランサムウエア攻撃が多発し証券会社の口座が乗っ取られるなどからリスク回避のセキュリティ需要が拡大しており、同社の標準型攻撃メール訓練サービスなどの導入・採用企業が増加し、さらに世界初のセキュリティ脅威を自動的に可視化・検知・防御するソリューション「L3to7 Auto-response」をリリースしたことも業績押し上げ効果が期待されている。

■GC示現でPER11倍の割安修正に拍車を掛け昨年7月高値にチャレンジ

 株価は、前期第3四半期の黒字転換業績に子会社投資先のIPOが続いて744円まで買い進またが、トランプ関税による世界同時株安に巻き込まれて年初来安値488円へ突っ込んだ。同安値から売られ過ぎとして底上げし、今期業績の連続過去最高更新予想を手掛かりに年初来高値933円まで91%高し、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では800円台央でスピード調整中だが、PERは11.6倍と割安である。年初来高値抜けから次の上値フシとして昨年7月高値1315円にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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