平和不動産、東京証券取引所ビル本館で耐震バリューアップ完了、800トン制震装置導入

■BCP性能を高め最新鋭の制震ビルへ再生

 平和不動産<8803>(東証プライム)は10月23日、三菱地所<8802>(東証プライム)傘下の三菱地所設計および鹿島<1812>(東証プライム)傘下の鹿島建設と共同で、日本取引所グループ<8697>(東証プライム)の東京証券取引所ビル本館(東京都中央区)の屋上にTMD型制震装置「D3SKY-L」を設置する耐震バリューアップ工事を完了したと発表した。建物は1988年の竣工以来、高い安全性を誇っていたが、さらなる耐震性能強化とBCP対応の向上を目的に改修を実施。最新の制震技術導入により、長周期地震動を含む幅広い地震に対応する体制を整えた。

 今回導入された「D3SKY-L」は鹿島建設が開発した多段構成型のTMD型制震装置で、錘重量800トン(400トン×2基)を屋上に設置。建物の揺れ幅や揺れを強く感じる時間を半減させる効果が確認されており、耐震性能を最新の超高層ビルと同等レベルまで向上させた。高さを抑えた設計により屋上外観への影響を最小限に抑えつつ、利用者の安全・安心を高める構造を実現した。設計および監理は三菱地所設計と鹿島建設が担当し、2023年12月から2025年9月にかけて施工された。

 平和不動産は、70年以上にわたり日本橋兜町・茅場町の都市基盤を支えてきた実績を背景に、同ビルを象徴的な基幹施設として安全性を高めたとする。三菱地所設計は長年の超高層設計技術を活用し、最適な改修設計を実施。鹿島建設は1980年代から制震技術研究を続けており、本装置を既存ビルの長周期地震動対策として展開する方針を示した。3社は今後も技術革新を通じて、安全・安心な都市空間の創出に取り組むとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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