日本アビオニクスがストップ高、通期予想を上方修正、営業利益40億円へ過去最高益更新へ

■防衛予算の高水準維持が成長を下支え、電子機器事業も堅調

 日本アビオニクス<6946>(東証スタンダード)は10月29日、2026年3月期通期業績予想の上方修正を発表した。売上高は225億円から250億円、営業利益は32億円から40億円(前期比は43%増)、経常利益は31億円から39億円、親会社株主に帰属する当期純利益は22億円から27億6000万円へ引き上げた。高水準の防衛関連需要を背景に情報システム事業が好調で、電子機器も堅調に推移していることが寄与した。

 第2四半期(2025年4月〜9月)の連結業績は、売上高127億300万円(前年同期比39.5%増)、営業利益19億7700万円(同72.1%増)、経常利益19億200万円(同73.0%増)、純利益13億円(同76.9%増)と大幅増益となった。防衛向け情報システムの受注高は前年同期比137.3%増の220億68百万円、期末受注残高も321億50百万円と過去最高水準に達した。電子機器分野でも接合機器やセンシングソリューションの需要が回復し、セグメント利益は1億67百万円と前年同期比で大幅に改善した。

 財務面では総資産が300億円を超え、受注増に伴う売掛金や契約資産の増加が要因となった。短期・長期借入金の増加により負債は拡大したが、収益拡大により自己資本比率は43.8%を維持した。通期では情報システム事業の旺盛な需要に加え、製造力強化と新製品投入が進む見通しで、過去最高益更新が確実視されている。

■株価はストップ高、業績上方修正を好感し防衛需要に期待

 10月30日の株価は705円高(14.7%高)の5500円とストップ高となった。業績予想の上方修正発表を受け、防衛関連需要の拡大に加え、電子機器事業の堅調さが評価され、投資家の買いが集中した。時価総額は922億円超に拡大。PER30.5倍、PBR6.19倍と、利益成長を織り込んだ高水準で推移している。年初来高値を更新し、2025年2月の安値(1,952円)からの上昇率は約180%に達した。出来高も51万8900株と急増しており、業績上振れを背景に短期資金が流入している。市場は防衛予算の増加を背景とした中期的な成長期待を織り込みつつあり、PER水準を考慮すれば一服感もあり得るが、業績モメンタムが続く限り、強含み基調が維持される見通しである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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