双日、豪州ライナス製重希土類の輸入を開始、マウント・ウェルド鉱山産資源を日本へ

■EV・ロボットに不可欠な重希土類、豪州由来で新ルート確立

 双日<2768>(東証プライム)は10月30日、豪州ライナス・レアアース社が製造するレアアース(重希土類)の日本向け輸入を開始したと発表した。豪州・西オーストラリア州のマウント・ウェルド鉱山で採掘されたレアアース鉱石をマレーシアで分離・精製した重希土類としては、初の輸入事例となる。双日が出融資するライナスは世界的なレアアース生産企業であり、同社による豪州由来の重希土類輸入は、重要鉱物の供給源多様化に寄与するものとみられる。

 レアアースは電気自動車(EV)や産業ロボット、風力発電設備など先端技術製品に欠かせない素材で、「産業のビタミン」と呼ばれる。磁力や耐久性を高める性質を持ち、特にジスプロシウムやテルビウムといった重希土類は永久磁石(ネオジム磁石)の製造に不可欠である。供給源が中国など一部地域に偏るなか、豪州からの安定供給ルート確保は日本の産業基盤強化に直結する。

 双日は前身の日商岩井時代の1960年代からレアアースを取り扱っており、2011年にはライナスと軽希土類の独占販売契約を締結した。その後、複数回にわたる出融資を実施し、2023年3月には日本向け重希土類の供給確保を発表していた。今回の輸入開始により、同社はレアアースサプライチェーンの多角化と安定供給体制の強化を一段と進める方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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