かわでん、業績予想を大幅上方修正、経常利益25.9億円から40億円へ、配当は100円増額

■民間設備投資と再開発需要が業績押し上げ、利益率改善も進展

 かわでん<6648>(東証スタンダード)は10月29日、2026年3月期通期業績予想の大幅上方修正と配当予想の増額を発表した。通期の売上高は従来予想の255億円から268億円へ、経常利益は25.9億円から40億円へと引き上げられ、経常利益は前回予想比54.4%増となる見込みである。純利益も26億円と従来予想比54.8%増を見込む。第2四半期(累計)についても、売上高134億円(前回予想比5.1%増)、経常利益20億円(同54.4%増)と好調に推移している。

 今回の上方修正は、半導体関連を含む大型工場建設や市街地再開発を中心とした建設需要の拡大により、売上が当初予想を上回ったことが主因である。利益面でも採算性の高い大型案件の増加や、コスト上昇分を価格転嫁したことが寄与した。同社は第3四半期以降も堅調な業績推移を見込んでおり、引き続き建設需要を取り込む方針を示している。

 あわせて同社は、2026年3月期の年間配当金を従来予想の190円から290円に100円増額すると発表した。中間・期末配当はともに145円で、それぞれ創業100周年記念配当10円を含む。中期経営計画で掲げる配当性向35%以上を維持する方針に基づき、業績上振れを踏まえた株主還元強化を行う。修正後の1株当たり中間純利益は405.86円、当期純利益は811.71円となる見通しである。

■業績上方修正を好感しストップ高買い気配、年初来高値を連日更新

 30日の株価は1500円高(18.54%高)の9590円ストップ高水準で買い気配となっている。時価総額は402億円を超え、年初来高値(8800円=10月29日)を連日で更新の展開。29日に発表した大幅上方修正と増配方針が材料視されている。建設需要の堅調さに加え、採算性の高い大型案件の増加や価格転嫁の効果が収益を押し上げたことが評価された。PERは15倍台、PBR1.44倍と割高感は限定的で、配当利回り(会社予想)は2.35%水準。株価は年初来安値2469円(1月27日)から約3.9倍に上昇している。出来高は前日の3万9900株から急増する見通しで、短期資金の流入が目立つ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る