加賀電子の子会社協栄産業とArent、建築積算・見積分野におけるAI活用で業務提携

ビジネス 万年筆 メモ

■生成AI、図面認識AIを活用し、積算・見積業務の自動化を推進

 加賀電子<8154>(東証プライム)の連結子会社である協栄産業株式会社(本社︓東京都品川区)は、株式会社Arent(本社︓東京都港区)と、建築積算分野におけるAI活用の共同推進を目的として業務提携を開始したと発表。

■業務提携の背景

 建設業界では、図面をもとにした積算や見積作業に多くの時間と専門知識が必要とされている。労働人口の減少や人材不足が進む中、これらの業務効率化が大きな課題となっている。

 協栄産業は、建築積算システム「FKS」シリーズ(FKS/RC、FKS/FNなど)を全国1,500社以上に提供し、長年にわたり積算業務を支援してきた。

 Arentは、建設業務のデジタル化を進める企業として、AI技術を活用した業務自動化やBIM連携の知見を有している。今回の提携は、Arentが推進する「AIブースト戦略」(業務プロダクトにAIを実装し、ユーザーが意識せずにAIを活用できる状態を実現する取り組み)の一環でもあり、両社の技術を組み合わせることで建設業界全体の生産性向上を目指す。

■協業の内容

 提携の第一弾として、協栄産業が提供する「FKS/FN 2.0」を対象に、Arentの図面認識AIを活用したPoC(概念実証)を進めている。図面情報を構造データ化し、積算作業の自動化を検証している。

 今後は、協栄産業の見積システム「KYOEI COMPASS 2.0」など他ソフトウェアにもArentの生成AI技術を活用した見積作成支援を取り入れ、積算・見積業務全体の効率化をさらに進める予定である。

■共同セミナー開催について

 同提携を記念し、両社は「建設DX展 東京(JAPAN BUILD TOKYO)」にて、積算・見積領域におけるAI活用をテーマとした共同セミナーを開催する。

■12月11日(木)共同セミナーを建設DX展にて開催

【セミナー概要(予定)】

・タイトル︓業務プロセスがAIで変わる︕積算・見積領域での生成AIの可能性から紐解く業務プロセスでのAI活用の未来
・日時︓2025年12月11日(木)13時30分~14時15分
・会場︓東京ビッグサイト(建設DX展内)
・登壇者︓協栄産業株式会社 IT事業本部 技師長(工学博士) 森谷靖彦、株式会社Arent 代表取締役社長 鴨林広軌
・内容︓建設業界の課題(省人化・技術継承・業務効率化)において、生成AIの活用は不可欠である。同セミナーでは、建築積算・見積分野でAI活用を共同検証している協栄産業とArentが、実際のPoCを通じて見えてきた「生成AIの実務的な可能性」と「業務プロセス変革の具体的なステップ」を紹介する。図面情報の自動認識や見積の自動作成などの事例をもとに、AI導入による業務効率化・精度向上のポイントと今後の展望を解説する。

■今後の展望

 両社は同提携を通じて、建築積算・見積領域でのAI実装を起点に、設計・施工管理など建設業務全体への拡張を進める。AIを業務ツールに組み込み、誰もが意識せずに活用できる環境を整えることで、専門知識に依存しない業務遂行を可能にする仕組みを実現する。これにより、作業効率や生産性の向上に加え、属人的なノウハウの共有・標準化を促し、組織全体での業務品質の均一化を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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