大阪ガスなど4社、武雄蓄電所が商業運転開始、九州の系統安定化を後押し

■再エネ比率が高い九州で需給変動の平準化に寄与

 大阪ガス<9532>(東証プライム)とみずほリースの100%子会社であるエムエル・パワー、JFEエンジニアリング、九州製鋼の4社が共同出資する武雄蓄電所合同会社は11月27日、佐賀県武雄市に位置する系統用蓄電所「武雄蓄電所」(定格出力2MW、定格容量8MWh)の商業運転開始を発表した。同蓄電所は九州製鋼佐賀工場内に設置され、再生可能エネルギーの出力変動に対応するための蓄電容量を有する施設である。開発には、九州製鋼による地権者調整とJFEエンジニアリングのオーナーズエンジニアリングが参画し、エムエル・パワーが事業性評価と運営を担う。

 九州エリアは太陽光発電を中心とする再エネ比率が高く、天候や季節によって電力需給が大きく変動する。武雄蓄電所は、余剰電力の充電や需給逼迫時の放電を通じて電力系統の安定化に貢献することが期待されている。大型蓄電池を電力系統に直結する「系統用蓄電池事業」は、出力変動の平準化や再エネの有効利用を後押しする施策として注目されている。

 商業運転開始後は、大阪ガスが蓄電池の運用と電力市場での取引を担い、エムエル・パワーが事業会社の運営を続ける。4社は同事業の拡大を通じ、再エネ導入の加速と電力系統の安定化、さらには脱炭素社会の実現に寄与する方針である。今回の稼働は、地域の電力需給課題に対する実効的なソリューションとして位置づけられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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