東京ガス・住友商事など4社、仙台港バイオマス発電所が商業運転開始、国内最大級の専焼設備が稼働

■4社共同で112メガワットの大型発電所を運営、26万世帯分を賄う電力を供給

 東京ガス<9531>(東証プライム)は11月28日、住友商事<8053>(東証プライム)、北陸電力<9505>(東証プライム)、住友商事東北の4社が共同出資する仙台港バイオマスパワー合同会社の仙台港バイオマスパワー発電所が、同月から商業運転を開始したと発表した。同発電所は発電出力112メガワット、年間発電量約80万メガワットアワーと、国内最大級のバイオマス専焼発電所であり、一般家庭約26万世帯分の年間消費電力量に相当する規模を持つ。4社は東北地方における再生可能エネルギーの長期安定供給を図り、地域の電力基盤強化とカーボンニュートラル推進に資する取り組みと位置づけている。

 燃料には森林認証を取得した木質バイオマス(ペレットやチップ等)を使用し、住友商事が調達を担当する。間伐材や製材くずを原料とすることで、森林資源の適正利用やトレーサビリティ確保を重視しており、温室効果ガス削減や環境負荷低減といった再生可能エネルギー事業の本質的価値を追求する方針である。4社は森林資源への配慮と持続可能性を両立させた事業運営に取り組む姿勢を示した。

 各社も再生可能エネルギー拡大への方針を示している。住友商事は2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げ、再エネ持分発電容量は2025年3月末時点で約2ギガワットに達した。東京ガスは経営ビジョン「Compass 2030」でCO2ネット・ゼロを掲げ、パートナーと協働した再エネ電源確保を進める。北陸電力は「30年代早期に100万キロワット以上の再エネ開発」目標に向けて知見を活用する姿勢を示し、住友商事東北は地域密着で再エネ導入を支える方針を打ち出した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  2. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  3. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  4. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  5. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  6. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る