
■『国宝』が文庫年間1位、映画ヒットで再加速
日本出版販売は12月1日、2025年の年間ベストセラーを発表した。今年の総合第1位は『大ピンチずかん3』(小学館)で、シリーズとして初の年間総合1位となった。ウェルビーイング志向や“失敗しない選択”への関心が高まる中、共感性や確実性を重視した作品が売れ行きを牽引した。文庫は映画効果で再注目を集めた『国宝』が第1位となり、口コミ拡散と話題性を背景に電子版を含めた累計発行部数は200万部を突破した。
■『カフネ』『せいろレシピ』など各ジャンルで話題作が躍進
ジャンル別では、単行本フィクションで本屋大賞受賞作『カフネ』が上半期に続き1位を獲得し、雨穴の最新作『変な地図』が急上昇した。単行本実用では『すべてを蒸したい せいろレシピ』が首位となり、健康志向の高まりを反映した結果となった。シニア層向けのスマホ活用本や脳トレ本も上位に入り、生活の利便性や心身の整えを求める需要が続いた。文庫では『青い壺』『BUTTER』などリバイバルヒットが目立ち、メディア露出がランキングを後押しした。
■新書は二宮和也『独断と偏見』が首位、読者の確実性志向続く
新書ノンフィクションでは二宮和也『独断と偏見』が1位を記録し、個人的視点に基づく語りが幅広い世代の共感を集めた。ビジネス書では『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』が継続して人気となり、物価高の中で自身の働き方やお金との向き合いを見直す動きが支持に繋がった。今年のランキング全体からは、読者が癒し・確実性・学びを重視し、“確実に価値を得られる本”を選ぶ傾向が一層強まったことが浮かび上がった。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)























