富士通、サプライチェーン最適化へ新AI連携基盤を開発し実証実験を開始

■機微情報を共有せず企業間AIが連携、需要変動や災害にも迅速対応

 富士通<6702>(東証プライム)は12月1日、企業をまたがるサプライチェーンを最適に運用するマルチAIエージェント連携技術を開発したと発表した。東京科学大学およびロート製薬と共同で、ロート製薬のサプライチェーンを対象とした実証実験を2026年1月から開始する。本技術は、異なる企業に属するAIエージェント同士が自社の機微データを明かさずに連携し、状況変化に応じて全体を最適化する仕組みを備える。通常運用の効率化に加え、需要の急変や事故・災害時にも迅速な回復を可能にする点が特徴となる。

 技術は「不完全情報下でのAIエージェント全体最適制御」と「セキュアエージェントゲートウェイ」で構成される。前者は提案と回答のやり取りをもとに各社の条件を推定し、統合的に最適解を導く。一方、後者は分散型AI学習技術やAIエージェント間ガードレール技術を用い、機密情報を共有せずに知識を共有する仕組みを実現する。悪意あるAIエージェントへの対応や、プライバシー情報保護のための安全な通信も確保する。仮想サプライチェーンでの事前検証では、運搬コストの最大30%削減効果が示され、実環境を模した検証が2027年3月まで行われる予定である。

 富士通は今後、製造業をはじめとする幅広い業種への展開を視野に、COCNの推進テーマ活動を通じて安全なデータスペースと信頼性の高いAIスペースの実現に貢献する方針だ。自社事業モデル「Uvance」に基づき、マルチベンダー環境でのガバナンスと信頼性を確保しつつ、レジリエントなサプライチェーン構築と持続可能な産業成長の実現を目指す。世界に先駆けたAIエージェント協働基盤の構築は、国内産業競争力の強化に寄与すると位置づけられている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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