三井住友海上、衛星・空撮AIで建物リスク可視化、北海道で診断トライアル開始

■外壁や屋根の損傷をAIが分析し「建物管理状況レポート」を作成

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>(東証プライム)傘下の三井住友海上火災保険は12月1日、衛星・空撮画像などのAI分析を用いて建物リスクを可視化する仕組みを構築したと発表した。同社とイスラエルのGeoX GIS Innovationsが共同で開発したもので、自然災害多発、建築費高騰、空き家増加など住宅を取り巻く複合的課題への対応を強化する狙いがある。診断結果は「建物管理状況レポート」としてまとめ、保険代理店経由で契約者に提供する。

 今回の取組では、外壁・ドア・窓・塀の損傷や屋根の状態、庭の管理状況などをAIが分析し、最新データを基に住宅リスクを可視化する。北海道で火災保険の満期を迎える契約を対象に、2025年12月から2026年4月にかけてトライアルを実施する。保険代理店が診断内容を説明し、結果に応じた事故防止・被害軽減策を提案するほか、自治体と連携し補助金制度や修繕業者紹介制度も案内する仕組みである。

 両社は、平時から適切な維持・管理を促すことで住宅被害の未然防止につなげるとともに、診断データの蓄積により引受・リスク評価の高度化を進め、火災保険の収益改善と持続的な補償提供を目指す。今後は対象地域や期間の拡大を計画しており、保険サービスの質向上と災害対応力の強化に寄与する取組として注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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