津田駒工業がストップ高、熱可塑性CFRP対応の小型ロボットAFPを開発

■次世代素材の採用を後押し、環境負荷低減と国際競争力強化へ

 津田駒工業<6217>(東証スタンダード)は12月18日、航空部品製造の短サイクル化を実現する小型タイプの熱可塑性CFRP対応ロボットAFP(自動繊維積層装置)を開発したと発表した。同社は2020年に国内初となる熱硬化性CFRP対応モデルを製品化しているが、今回はリサイクル性に優れ、短時間加工が可能な熱可塑性CFRPに着目した。新製品は2025年3月の「JEC World 2025」で販売を開始しており、同年11月には「第9回コンポジットハイウェイアワード」でグランプリを受賞するなど、高い評価を得ている。これらの成果は、NEDOの助成事業を通じて得られた革新的な製造技術によるものである。

 同製品は、高精度アームロボットに小型積層ヘッドを搭載し、16本のトウを個別に制御することで、複雑な曲面への高速積層を可能にした。独自のレーザによるエリア照射方式を採用し、材料品質を維持しながら強固な仮溶着を実現している。さらに、複数台のロボットが同時に積層を行う協調制御技術を導入し、大型部品の製造効率を飛躍的に高めた。同社は今後、航空機分野を中心に輸送機器など幅広い産業への展開を図る。自動化とコスト低減、環境負荷の低減を追求し、国内素材・製造分野の国際競争力強化に貢献する方針である。

■先端ロボット開発を好感しストップ高

 12月19日の株価は、前日終値341円から買いが集中し、朝方にストップ高となる421円まで急騰した。出来高は一時110万株超と急増し、材料視されたのは熱可塑性CFRP対応の小型ロボットAFP開発である。航空機向け先端製造装置という成長分野への展開が評価され、短期資金の流入を誘発した。PER約9倍、PBR1.3倍と割高感は乏しく、ROE20%超と収益性も高い。一方、自己資本比率は9%と低く、財務の脆弱さは留意点である。株価は年初来高値466円が意識される水準にあり、今後は受注拡大や業績への具体的な寄与が持続上昇の鍵を握る。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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