【業績でみる株価】テクノプロHDは来期業績期待で押し目買い、中期3000円も

業績で見る株価

テクノプロ・ホールディングス<6028>(東1・売買単位100株)は、2014年12月15日に東証1部に新規上場した。17日に2023円の高値を示現した後、1900円台を推移。この近辺での動きが続くと高値奪回を期待した向きが目先、売ってくる可能性がある。このため、短期的には軟調な展開が予想されるものの、来期の好業績に対する評価はこれからで、株価は中勢3000台をめざす可能性が強い。

同社は技術系人材サービス企業として国内最大の技術社員数を有する。機械、電気・電子、ITインフラ、ソフト開発、化学、生化学、建設施工管理など幅広い技術領域で人材を提供している。日本における技術者派遣ビジネスの市場規模は2010年3960億円、2011年4150億円、2012年4300億円、2013年4450億円とだいたい年間150億円ていど、規模を拡大してきている。この流れは続いているもようで、2014年には4600億円前後に増加するものと期待される。企業の競争力アップに対するニーズは高く、つれて研究開発投資は年々拡大している。市場規模の増加スピードは高まることはあっても、決して減少することはないと考えられる。

このため、同社を取り巻く事業環境は明るさを増している。しかも、2014年7月に4法人(シーテック、テクノプロ・エンジニアリング、CSI、ハイテック)がテクノプロとして合併され、同社グループの業務効率化は一段と改善された。こうしたことから、2015年6月期の業績は売上高796億2600万円(前期比7.4%増)、営業利益70億800万円(同23.2%増)、税引き前利益65億円(同54.7%増)、当期純利益63億5100万円(同57.7%増)を確保する見込みだ。

税引き前利益の増益率の高さは注目に値したが、株価的にはすでに織り込み済みの感が強い。また、信用買い残高が188万株におよび、これが当面、上値を圧迫する要因となりそうだ。このシコリをほごすためには、多少時間が必要かも知れない。しかし、来期の好業績がハッキリしてくれば、再び買い気が盛り上がり上値のシコリは一挙に解消される公算が強い。この肝心の来期の業績見通しは、前述したように事業環境が明るいために、増収増益を確保するものと予想される。

目先の利食いを期待した向きは、仮に株価が17日の高値を抜くような場面では一旦、売って再度、下押した局面を拾う作戦が有効だろう。中長期の投資を考えている向きも下押し局面を待って、安値を丹念に買うことを薦めたい。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■半導体パッケージの微細化に対応、LDI露光で1.0μm幅パターンを実現  旭化成<3407>(東…
  2. ■物流費やエネルギーコストの上昇受け、企業努力では限界  亀田製菓<2220>(東証プライム)は5…
  3. ■約100種類の実践講座で次世代エンジニアを育成  トヨタグループ5社は5月22日、AI・ソフトウ…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  2. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  3. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  4. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  5. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  6. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る