【業績でみる株価】アトラは大幅減益で当面は株価乱高下、来期は先行投資効果で増益基調に復帰、押し目買い

業績で見る株価

アトラ<6029>(東マ・売買単位100株)は、今期の予想一株当たり利益から判断するとマネーゲーム化の色彩を強め買われ過ぎの嫌いがある。新規投資は来期の収益見通しがポイントとなろう。

同社は鍼灸院・接骨院の支援を主力事業としている。12月16日に東証マザーズに新規公開。12月16日に1598円まで買い進まれたが、その後、利食い売りで26日には648円へ急落した。直近では700円台に戻しているものの、チャート的に判断すると完全に亀裂を入れてしまったことから、この修復には時間が必要である。このため、さらに反騰色を強めるようなら、取りあえず売って、投資は再度、下げた局面を狙うのが賢明だと考える。

今期の予想一株利益は10円で、高値1598円のPERは160倍弱となりこれは買われ過ぎである。現時点でのPERは70倍強まで下げたとはいえ、それでも依然として割高の水準にある。中長期的に同社は成長路線をたどるとみられるが、これが確認されないと、腰を入れた投資スタンスはとれない。当面は、マネーゲーム化の色彩の強い展開が余儀なくされるので、深入りは禁物だ。

今期は先行投資(ほねつぎチェーンの加盟店増、HONEY-STYLE利用院の広告ツール刷新など短期集中投資を実施)の負担増や上場費用の発生で、2014年12月期は一時的に大幅な減益となる見込みである。ちなみに、売上高はほねつぎチェーンの増加(中間末で前期比12院増の41院)、HONEY-STYLE利用院数の増加(同68院増の394院)、アトラ請求サービスの積極的展開で、14億5700万円(前期比10.4%増)と伸びる見通し。ただ、営業利益は7400万円(同48.1%減)、経常利益6200万円(同56.6%減)、当期純利益1900万円(同86.8%減)と大幅な減益となる見込みである。

しかし、同社の事業見通しは明るいものがある。ほねつぎチェーンの加盟店は今後とも伸びそうで、アトラ請求サービスを利用する院も拡大しよう。そして、先行投資はひと段落し、その効果が表面化すると考えられる。加えて上場費用もなくなる。このため、来期は大幅な増益が期待されるが、現時点で、来期の業績数字は定かではない。

同社株への新規投資はこの見通しが分かるまでは待った方がいいだろう。目先の動きだけに捉われては、本当の投資の醍醐味を味わうことは不可能だろう。

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