【宮田修 アナウンサー神主のため息】国会議員の育児休暇について思う

Ã

 あまり真面目に新聞やテレビをチェックしているわけではないので正確ではないかも知れませんが、国会議員同士が結婚し子どもが生まれることになり、夫である議員が育児休暇を取得したいという希望を述べたと報じられています。これに対して賛否両論の意見が寄せられているという。

 私は、大変面白いと興味をそそられました。私の勝手な想像でしかありませんが、パパになるこの若い国会議員さんは、自分が育児休暇を取得すると言えば男性が積極的に育児に関わることを目指しているイクメンと呼ばれる人たちから喝さいを浴びるのではないかと考えたに相違ありません。ところが税金から歳費を貰っている国会議員がとんでもないと批判を浴びてしまいました。最近、彼はこの件に関してあまり発言しなくなってしまったと先日の新聞は伝えていました。

 私は神主です。神主は日本人の伝統的な考え方を学び、それを大切にしようと考えています。その私から見るとこの国会議員はそれに反する考え方を示してしまったようです。我われ日本人はもともと共同体を形成し、米を作って生きてきました。円滑にコメを生産するために共同体全体の存続が最優先されました。皆自分が共同体のために何が出来るかを常に考える癖が出来たと私は考えています。そこで日本人は自分が所属している共同体、例えば家族、地域、会社などのことを最優先に考えるようになったのです。今は時代が違うよという声がたくさん聞こえてきそうです。しかし、わが民族はそういう暮らしを数千年にわたって続けてきました。私たちの細胞の遺伝子には全体のために尽くしなさいと言う情報がはっきりと書き込まれているのです。

 若い国会議員さんに話を戻しましょう。なぜ彼のしようとしたことが批判を受けたのかもうお分かりのことと思います。おそらく彼は子どもの頃から個人を尊重する考え方を学校や家庭で教わってきたのでしょう。まず自分があってしかる後に全体がある。したがって彼は当然のこととして自分の家族のことを優先させようとしたのでしょう。子どもの頃からの教え通りのことでした。良かれと思って発信したことに反発され戸惑っていることでしょう。しかしこの方は国会議員です。日本国民全体のために尽くしますとまさに伝統的な日本人の考え方を訴えて当選したはずです。一般の会社員とは異なります。彼には国民全体が期待しているのです。みんなのために働きますと言っていた人が自分のことを優先したことに違和感を感じた人が多いのでしょう。

 また私に対する批判の声が聞こえてきます。では個人は常に犠牲になってしまうのか。そんなのは嫌だ。いえいえそれは違います。全体のために努力している人がいたら周囲の人が必ず手助けをするそれが日本の伝統です。今回の国会議員でいえば議員夫妻の支持者が「先生は国民のために頑張ってください。お子さんのことは私たちがお世話をさせていただきますからご安心ください。」と言ってくれるものなのです。日本人はそうしてきたのです。まあ今回の場合は、支持する方も支持される方も「個人主義」ですから仕方ないかも知れませんね。
 神主、ため息です(宮田修=元NHKアナウンサー、現在は千葉県長南町の宮司)。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  2. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  3. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  4. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  5. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  6. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る