【季節の一枚】熊本名産『しょうがカステラ』

 帰省で宇城市(うき)まで足を伸ばした。熊本市内から南へ約30キロ、人口6万人超の街である。生姜のカンバンが目にとまった。生姜は昔から身体の奥から温めてくれる植物として伝えられ、風邪の季節ということもあってノレンをくぐった。生姜を素材としたカステラ、『しょうがカステラ』を扱う菓子の店、『宮崎誠昌堂』。

創業が1886年(明治20年)というから今年で129年の老舗である。

宇城は全国でも有名な生姜の生産地。この生姜をカステラに加え一躍、『しょうがカステラ』として有名にしたのが宮崎誠昌堂三代目の宮崎靖夫氏(写真)である。

宮崎靖夫氏に聞いた。「しょうがカステラが成功したのは、宇城市海東(かいとう)の生姜生産者の協力を得て、天日干しの生姜にこだわったことによるものです。あまりにも評判が良かったことから、東京の老舗百貨店からも注文が来たことで、更に評判が高まりました。現在では、くまモンの力も借りずに、熊本が生んだ銘菓として有名になりつつあります」という。

生姜と聞けば、ピリッとした辛い印象が強い。しかし、生姜の入ったカステラは、独特のまろやかな味で子供にも十分、食べてもらえるというもの。

地方再生が叫ばれる今日だが、職人気質でモノづくりにこだわって見事な頑張りをみせている姿に敬意を表して店をあとにした。

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