【編集長の視点】ヨシムラ・フード・ホールディングスはもみ合いも独自ビジネスモデルを評価し上場来安値からの割安株買いは継続

編集長の視点

 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東マ)は、2円高の971円と続伸して始まったあと、1円安と下ぶれるなど前日終値水準でもみ合いを続けている。同社株は、今年3月4日に公開価格880円で新規株式公開(IPO)されたばかりで、初値を1320円でつけ、その後、3月14日以降の3月のIPOラッシュのなか利益確定売りが先行して下値を探り、前日14日には上場来安値930円と売られたが、同水準から食品関連の中小企業支援プラットフォームを展開する独自ビジネスモデルを評価して割安株買いが根強く続いている。

■食品関連の中小企業を積極的にM&Aする支援プラットフォームを展開し高成長

 同社は、少子高齢化による売り上げ減少、事業承継問題など厳しい経営環境下で、優れた商品や技術力を持ちながら成長できない日本の中小食品企業を「日本の食文化を守り、育み、拓く」ことを企業コンセプトにグループ化する中小企業支援プラットフォームを展開している。同プラットフォームは、既存事業の成長とM&Aによる拡大を2つの成長エンジンにしているもので、2008年12月の楽陽食品のM&A、子会社化以来、合計8社をグループ化、業績を高成長させてきた。

 例えば楽陽食品は、M&A当時はチルドシウマイ業界でシェア2位、レギュラーシウマイのブランド別販売順位でも2位だったが、工場生産性の改善やコストダウンに取り組んだ2010年~2011年はチルドシウマイで業界3位に後退したものの、2012年以降は大型顧客獲得や新規設備投資などの成長戦略を積極化し、2013年にはチルドシウマイのシェアが22.4%、レギュラーシウマイの販売で同10.5%と業界トップに躍進している。今後は、さらに新商品の開発、ギョウザ市場への進出、関西に続く関東への拠点開設などの成長戦略を積極継続し、グループ力強化につなげる。

 ヨシムラフードHの業績も好調に推移しており、目下集計中の2016年2月期業績は、売り上げ126億7200万円(前期比11.4%増)、営業利益3億2000万円(同45.6%増)、経常利益3億1900万円(同34.5%増)、純利益4億3000万円(同85.8%増)と予想されている。

■超小型株特性を発揮してPER8倍台の割安修正で初値奪回を目指す

 株価は、公開価格880円を53%上回る1350円で初値をつけ、この初値を上場来高値にセカンダリーの定石通りに地相場模索が続いたが、上場来安値930円はPER8倍の低評価にしか過ぎず下げ過ぎとして直近IPO株買いが再燃した。IPOに際した資金吸収額は3億円強、時価総額も42億円強と超小型株であり、超小型株特性を発揮してリバウンド幅を拡大、初値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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