【編集長の視点】神戸物産は続落も株式分割の権利取りをテコに急騰再現思惑が底流

編集長の視点

神戸物産<3038>(東1)は、480円安の8990円まで下げて続落している。同社株は、昨年12月15日に10月期決算などとともに、株式分割、自己株式取得・消却などを同時発表して株価が49%高、上場来高値1万1360円をつけ、東証第1部の年間上昇率ランキングのトップに躍り出て、調整中である。ただ、この株式分割は、今年1月31日を基準日に実施する予定となっており、権利取りをテコにする急騰相場再現思惑も底流しており、1月27日の権利付き最終日に向け下値は要注目で、逆張りも一考余地がありそうだ。

■今期業績も連続の過去最高売り上げ・営業利益と好調で実質連続増配

同社は、グループ発展のための資金を確保しつつ、経営成績に応じた株主への利益還元を基本方針としており、株式分割についても、投資単位の水準を引き下げることが株主数を増加させることに有効で、株主価値の向上につながるとして実施するもので、1株を2株に分割する。同社は、この基本方針に基づき株式分割と同時に自己株式の取得と消却をも発表している。自己株式取得は、上限を60万株、30億円としていたが、昨年12月29日に30万3800万株、29億9994万円を取得して終了し、自己株式消却は、今年2月2日に25万株、株式分割権利付きでは50万株を対象に実施する。

一方、同社の業績は、昨年12月8日に前2014年10月期業績を上方修正するなど好調に推移、今2015年10月期業績は、売り上げ2230億円(前期比4.2%増)、営業利益61億円(同17.8%増)、経常利益55億円(同14.4%減)、純利益26億5000万円(同1.9%増)と連続の過去最高売り上げ・営業利益を見込んでいる。製造と販売を一体化(SPA)しローコストオペレーションを可能とする新流通業態「業務スーパー」で前期の29店舗並みの店舗純増を進めることなどが要因で、経常利益は、前期計上のデリバティブ評価益の一巡で減益転換するが、純利益は、法人税の平準化で増益転換する。なお配当は、前期に80円(前々期実績70円)に増配し、今期は50円と予定しているが、株式分割を勘案すると実質20円の増配となる。

■自己株式取得終了で半値押しも値幅特性を発揮して最高値再チャレンジも

株価は、3000円台の小幅往来相場から前期第3四半期の好決算で4000円台に乗せて動意付き、前期業績の上方修正・増配、株式分割、自己株式取得・消却と好材料が続いて上場来高値まで急伸した。自己株式取得終了とともに、投資採算的にも割高として最高値から2000円幅の調整と急騰幅の半値押し水準でもみ合っているが、株式分割の権利取りで再度の値幅特性を発揮して最高値再チャレンジも想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

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