【編集長の視点】京進は反落も3Q決算発表を前に2Q上ぶれ着地業績を手掛かりに下値にテーマ株買いが交錯

 京進<4735>(東2)は、祝日前の20日に35円安の1325円と3日ぶりに反落して引けた。同社株は、今年2月27日に昨年来高値1547円まで買い進まれ、足元ではこの高値調整を続け祝日を控えて目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、今年4月4日に発表予定の今2019年5月期第3四半期(2018年6月~2019年2月期、3Q)決算を期待する買い物が交錯しており、今年1月10日に開示した今期第2四半期(2018年6月~11月期、2Q)累計業績が、期初予想を上ぶれて着地したことを手掛かりとなった。また新学習指導要領関連の本業の学習塾チェーンのほか、4月1日に施行される働き方改革関連法、改正出入国管理法に関連する事業分野などへも積極展開して多彩なテーマ性を内包することも、サポート材料視されている。


■学習塾事業、日本語学校の生徒数が順調に伸びM&Aも即戦力化

 同社の2Q累計業績は、期初予想より売り上げが3600万円、利益が900万円から6700万円それぞれ上ぶれ、売り上げ98億2000万円(前年同期比10.5%増)、営業利益5億3800万円(同43.2%増)、経常利益5億5000万円(同46.5%増)、純利益2億6500万円(同33.5%増)と大幅に増益転換した。学習塾事業では、新学習指導要領に対応して開始した新プログラムが支持されて生徒数が、フランチャイズ事業も含めて前年同期より493人増加して増収増益となり、語学関連事業も、幼児から小学生を対象とする英会話事業や成人対象の英会話教室、留学生向けの日本語学校、中国及びミャンマーで日本語教育を行う国際人材交流事業などの顧客数が、同じく648名増加して売り上げが18.8%増と伸び、セグメント利益が黒字転換、保育・介護事業では、保育園が、2018年春に15園を開園してグループ合計63園に拡大するとともに、介護事業で介護施設、配食、訪問介護、デイサービスなどが堅調に推移したことが寄与した。

 今5月期業績は、期初予想を据え置き売り上げ193億5900万円(前期比8.0%増)、営業利益5億5000万円(同34.3%増)、経常利益5億8000万円(同27.4%増)、純利益5億9300万円(同20.2%増)と見込み、純利益は、14期ぶりに過去最高を更新するが、2Q累計業績の上ぶれ着地から3Q業績の高利益進捗率、5月期通期業績の上ぶれなどの期待を高めている。

 なお同社は、働き方改革関連法に関して、保育園の拡充とともに昨年9月に女性の資格取得やスキルアップを支援する新事業部としてキャリア支援事業部を新設し、改正出入国管理伴う外国人労働者受け入れでは、今年1月に日本語学校を運営するダイナミック・ビジネス・カレッジ(東京都荒川区)の全株式を10億5400万円で取得し、日本語学校は国内10校、海外1校拡大し早期戦力化するなど日本語教育や留学生支援を強化した。

■25日線出没の三角保ち合いを上放れ急騰特性再現期待を高め上値チャレンジ

 株価は、四半期決算や好材料発表のたびに高値反応し、昨年10月の今期第1四半期決算の発表では自己株式取得も伴ったことでストップ高して1188円まで買われ、ダイナミック・ビジネス・カレッジ株取得では1379円まで上値を伸ばし、2Q累計決算の発表では自己株式立会外買付も合わせて実施したことから1326円高値をつけ、いったん1024円まで下値を探ったが、大学入試改革関連人気を高めて昨年来高値1547円へ急伸した。足元では、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続け、煮詰まり感も強めており、3Q決算発表を先取り急騰特性再現期待を高め昨年来高値奪回から一段の上値追いにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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