【編集長の視点】アグレ都市デザインは最高業績発表を先取り直近割安IPO株買いが膨らみ急続伸

編集長の視点

 アグレ都市デザイン<3467>(JQS)は、100円高の2485円と急続伸して始まり、今年4月7日に配当権利落ちでつけた上場来安値2206円からの底上げを鮮明化している。同社株は、今年3月18日に新規株式公開(IPO)され、初決算となる2016年3月期業績の発表を今年5月中旬に予定しているが、同業績が、2ケタの増益転換をして2期ぶりに過去最高を更新すると予想されていることを手掛かりに、内需系の割安株として直近IPO株買いが増勢となっている。

■集計中の前期業績は2期ぶりに最高純益を更新し80円の初配当を実施

 同社が目下集計中の2016年3月期業績は、IPO時に売り上げ84億1900万円(前期比38.1%増)、経常利益3億8600万円(同17.0%増)、純利益2億3700万円(同19.3%増)と予想され、純利益は、2014年3月期の過去最高(2億300万円)を2期ぶりに更新する。東京都、神奈川県などの首都圏をターゲットエリアに戸建住宅販売事業を展開しており、「アグレシオ・シリーズ」住宅は、平均販売価格が5500万円とパワービルダーの手掛ける物件より高いが、用地選定から企画・設計、施工管理、販売、アフターメンテナンスまでを自社で一貫して行うことから、デザイン性・機能性に優れ注文住宅と同程度の高品質住宅して提供している。2016年3月期は、販売棟数が、前期比32棟増の144棟、販売価格も、東京都区部の販売戸数が増加することで同210万円アップの5670万円となることなどが最高業績更新の要因となっている。なお配当は、80円と初配当を予定している。

 続く2017年3月期業績も、首都圏は、人口的に転入者が転出者を上回る「転入超過」状態が続き住宅需要の増加が予想されるほか、マイナス金利導入による住宅ローン金利の低下、政府による住宅取得への税制優遇策の拡充などが追い風となり、さらに同社の自社一貫販売手法の精度アップなども加わり続伸が有力で、5月中旬の決算発表が、要注目となる。

■PER6倍台と割安で配当権利落ち後安値から最高値を視野に底上げ途上

 株価は、公開価格1730円でIPOされ3505円で初値をつけ上場来高値3700円まで買い進まれ、昨年12月中旬以降のIPOラッシュのなか2566円まで調整し、期末の配当権利取りでストップ高を交えて3070円の戻り高値をつけたが、配当権利落ちに全般相場急落が重なって上場来安値2206円へ突っ込んだ。ただこの最安値は、PER5倍台と割安として底上げ、400円超幅のリバウンドをした。PERはなお6倍台と割安で、配当利回りもすでに権利を落としているが3.21%と高水準であり、内需系直近IPO株として一段の戻りを試し全値戻しも視野に入れよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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