【編集長の視点】エディアは2Q業績の下方修正を織り込み新作ゲームへの期待を高めて反発

 エディア<3935>(東マ)は、46円高の2527円と反発して始まり、今年9月27日につけた上場来安値1968円からの底放れを鮮明化している。同社株は、今年9月15日に今2月期第2四半期(2016年3月~8月期、2Q)累計業績の下方修正を発表したことが響いてストップ安を交え窓を開けて上場来安値1968円へ突っ込んだ。しかし同安値からは、リリースに時間の掛かっていた新作スマホゲーム『蒼の彼方のフォーリズム-ETERNAL SKY-』を9月末~10月初めにリリースできると明らかにしたことから今度はストップ高を交えて急反発、急落時に開けた窓を完全に埋めた。引き続きこの新作ゲームの業績寄与を先取り下げ過ぎ訂正に動いており、10月14日に予定している下方修正した今期2Q累計決算の発表時に精査中としていた2月通期業績がどうなるのかが株価材料として強く意識されている。

■『蒼の彼方のフォーリズム』は9月末~10月初めにリリースし通期利益は改善方向

 同社の2Q累計業績は、期初予想より売り上げを8200万円、営業利益を1億2300万円、経常利益を1億2400万円、純利益を1億7200万円それぞれ引き下げ、売り上げは前年同期より21%強伸びたものの、営業利益は6割強減少し、純利益が6000万円の赤字となった。1Qの3月28日に新作ゲーム『マギアコネクト』、同7月に麻雀三国志バトル『アドヴェントガール』をそれぞれリリースしたが、想定した売り上げに未達となり、同ゲームタイトルの収益性低下に対して6300万円の減損損失を計上したことが要因となった。

 また現在開発中の新規アライアンスタイトルの『蒼の彼方のフォーリズム-ETERNAL SKY-』については、楽天アプリ市場の終了に伴う提供プラットフォームの変更に伴う追加開発や、ユーザー満足度の向上を目指した開発延長により開発費が増加したことも収益を圧迫しており、2月通期業績については現在、精査中とし、利益面では2Q累計業績より改善する見込みとしていた。この『蒼の彼方のフォーリズム』は、9月27日に9月末~10月初めにリリースできると公式アカウントで発表、事前登録で10万人を突破しただけに即業績寄与の可能性が強まる。2月通期業績は、期初に売り上げ15億円(前期比18.9%増)、営業利益2億1500万円(同32.5%増)、経常利益2億円(同27.4%増)、純利益1億7400万円(同10.1%増)と前期の過去最高を連続更新すると見込まれており、10月14日予定の2Q累計決算発表時での動向が注目されている。

■ストップ安で開けた窓をストップ高で埋めて1Q決算発表後の急騰再現期待も

 株価は、ライフサポートサービス「MAPLUS+」の20万ダウンロード数突破を手掛かりに連続ストップ高でつけた上場来高値5100円から2335円安値まで調整し、『アドヴェントガール』の事前登録開始、事前登録1万人突破で2894円までリバウンドしたが、今期1Q伸び悩み業績と東証マザーズ市場の人気離散が響いて2231円安値へ突っ込んだ。同安値からは東京ゲームショウ開催を先取りしたゲーム関連株人気に乗ってストップ高して3545円の戻り高値をつけ、2Q累計業績下方修正とともに、今度はストップ安して上場来安値へ突っ込み、新作ゲームのリリース発表でこの時開けた窓をストップ高で埋める急反発となった。最安値からは28日高値2838円まで4割強の底上げとなり値固めを続けているが、1Q決算発表後には6割高しており、急騰再現期待を高めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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