【業績でみる株価】ティー・ワイ・オーは今7月期減益だが受注拡大、スカイマークのブランドアップ手掛ける、利回り約3%

業績でみる株価

 ティー・ワイ・オー<4358>(東1)はTV-CM制作の大手で、16年7月期は低利益案件発生などで減益予想となったが、受注は拡大基調である。年初ら高値が202円(1月4日)、同安値は138円(2月12日)で、15日終値は高値と安値の中間値(170円)どころの172円。7月期末一括で3%近辺の予想配当利回りも注目点だ。

 15年3月には民事再生手続き中のスカイマークに対して、ブランド再生に関する業務支援を行うことが正式決定した。投融資は行わず、スカイマークのブランド再生に必要であると判断される領域のクリエイター、関連スタッフ、ノウハウなどを無償で提供する。スカイマークの再生後は広告受注に繋がると期待される。

 15年9月には、シンガポールで開催された広告祭Spikes Asia 2015(アジア太平洋地域の国々を対象としたクリエイティブフェスティバル)において、当社が制作に携わった広告がゴールド1作品、シルバー4作品、ブロンズ3作品を受賞したと発表している。

 15年11月には、世界で優れた広告作品を表彰する国際的な広告賞である「ロンドン・インターナショナル・アワーズ2015」において、当社が制作に携わった4作品が受賞したと発表している。

 今期(16年7月期)第2四半期累計(8月~1月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.5%増の137億91百万円だが、営業利益が同43.4%減の4億08百万円、経常利益が同48.3%減の3億66百万円、純利益が同69.9%減の1億32百万円だった。受注が順調に推移して増収だったが、第1四半期(8月~10月)に発生した低利益率案件の影響、M&A関連費用や新子会社の費用の計上、連結子会社の業績不振などで大幅減益だった。売上総利益率は15.7%で同1.6ポイント低下、販管費比率は12.8%で同1.2ポイント上昇した。販管費にはM&Aによるのれん償却額41百万円が含まれている。第2四半期末時点の人員は845人で前年同期比124人増加した。インドネシアTYO-FEおよびK&L社の連結も影響した。

 セグメント別動向を見ると、広告事業は売上高が同10.7%増の131億67百万円、営業利益(連結調整前)が同10.2%減の13億83百万円だった。広告代理店経由取引の受注は電気・情報通信、車両・交通器具・工業機械、飲料、衣料・繊維・服飾、娯楽・エンターテインメントを中心に好調だったが、広告主直接取引については案件の検収時期が下期に集中し、新規連結子会社の出遅れも影響して売上高は計画を下回った。低利益率案件の発生も影響して減益だった。

 なお取引形態別に見ると、広告代理店取引は売上高が同6.9%増の97億95百万円で、営業利益が同4.3%減の14億72百万円、広告主直接取引は売上高が同23.4%増の33億72百万円で、営業利益が同24.7%減50百万円だった。利益面で見ると、広告代理店取引は第1四半期の低利益率案件の発生、広告主直接取引はインドネシアにおける新会社の不振が影響した。主要顧客別売上高を見ると、電通向けは同23.6%増の39億32百万円、博報堂向けは同11.6%増の29億82百万円だった。

 映像関連事業は売上高が同10.6%減の6億23百万円、営業利益が1百万円の赤字(前年同期は52百万円の黒字)だった。アニメーション制作における一部案件の受注規模縮小、一部案件の作業の長期化、前期の大型ライブ映像案件の一巡などで減収、営業赤字だった。なおアニメーション制作では高利益率案件が下期に集中しているようだ。

 16年7月期の業績は、売上高が前期(15年7月期)比5.7%増の300億円、営業利益が同20.4%減の15億円、経常利益が同25.3%減の13億50百万円、純利益が同35.7%減の7億20百万円としている。配当予想(9月11日公表)は前期と同額の年間5円(期末一括)としている。予想配当性向は43.3%となる。

 低利益案件の発生や新規連結子会社の不振などで増益予想から減益予想となったが、受注は拡大基調のため増収予想を維持している。また採用活動を積極的に展開し、M&Aによる連結子会社の増加も含めて、グループ人員数は15年7月期末の802人から、16年7月期末には900人規模へ増加する見込みだ。そして定着率向上に向けて福利厚生制度の拡充も推進する。

 広告市場は拡大基調であり、国内TV-CM制作業界では当社を含む大手制作3社による寡占化傾向を強めている。国内景気回復や2020年東京夏季五輪開催も追い風となるため、事業環境は中期的に良好だろう。戦略的M&Aや海外展開本格化も寄与して中期的に収益拡大が期待される。配当狙いの中期投資で注目したい。(アナリスト・水田雅展)

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