【注目の決算】旭化成は営業利益が最高を更新し杭工事関連損失は想定を下回る

■今期はナフサ下落や円高の影響などにより営業12%減益を見込む

 旭化成<3407>(東1売買単位千株)が11日の午後に発表した2016年3月期の連結決算は、売上高が前期比2.3%減の1兆9409億円となった半面、営業利益は3期連続で最高を更新し、同4.6%増の1652億円となった。繊維事業や住宅事業、ヘルスケア事業などが好調に推移し、利益面ではケミカル事業や電子材料、クリティカルケア事業なども寄与した。純利益は共同販売契約の終了にともなう損失約53億円などにより同13.2%減の918億円となった。

 注目された杭工事関連損失については、安全確認の必要な360物件のうち357物件で安全が確認され、これらの調査費用などを中心に第3四半期発表の段階で通期約20億円の見込みとしていたが、最終的には約15億円で着地した。今期・17年3月期の関連費用についてはまだ算定が固まっていないとして公表を差し控えた。

 17年3月期の連結業績見通しは、製品価格などに影響する原料ナフサの想定価格を前期比約16%低下と見込むこと、為替前提を前期比10円の円高になる1ドル110円とすることなどにより、売上高は前期比1.6%減の1兆9100億円とし、営業利益は同12.2%減の1450億円とした。一方、純利益は営業外の特損が減少すること、税金費用の減少が見込めることなどにより同0.3%増の920億円の見込みとし、予想1株利益は65.87円とした。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る