鉄人化計画 第1四半期の大幅な利益面での改善を評価し、モミ合い上放れの展開へ

■売上高は前期並みであるが、利益面では赤字幅大幅縮小

カラオケルーム運営などを展開する鉄人化計画<2404>(東マ)の株価は、10月の戻り高値489円から反落して450円~470円近辺の小幅レンジでモミ合う展開である。しかし、14日に発表された第1四半期の大幅な利益面での改善を評価すると、モミ合い上放れの展開と思われる。

今期15年8月期第1四半期連結業績は、売上高22億78百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益△1億01百万円(前年同期△2億Ⅰ2百万円)、経常利益△80百万円(同△2億34百万円)、純利益△71百万円(同△1億79百万円)と売上高は前期並みであるが、利益面では赤字ながら赤字幅が大幅に縮小している。事業再建が順調に推移しているといえる。

事業としては、首都圏中心に展開する「カラオケの鉄人」ブランドのカラオケルーム運営事業を主力として、京都中心に「からふね屋珈琲店」を展開するフルサービス型珈琲ショップ運営事業、「カラオケの鉄人モバイル(カラ鉄モバイル)」サイト運営や「コンテンツ配信ASPサービス」のCP事業、その他の事業として、ビリヤード・ダーツ遊技場運営事業、まんが喫茶(複合カフェ)運営事業、音響設備販売事業、グアム・タモン地区内でエンターテイメントレストラン1店舗を運営している。

事業別の売上高、セグメント利益は、カラオケルーム運営事業18億29百万円(同1.4%減)、△12百万円(前年同期△91百万円)、フルサービス型珈琲ショップ運営事業2億04百万円(前年同期比5.9%増)、12百万円(前年同期△02百万円)、CP事業89百万円(前年同期比23.4%減)、56百万円(同40.7%増)、その他2億03百万円(同25.2%減)、24百万円(同537.6%増)となっている。
売上高については、フルサービス型珈琲ショップ運営事業を除き減収となっているが、利益面では全事業が大幅に改善している。

主力のカラオケルーム運営事業は、前期(14年8月期)より従来の拡大路線から収益性と効率性を重視した厳選出店戦略に変更し、不採算店舗の営業フロア縮小・業態転換・閉店も進めて収益改善に取り組んできた。
同事業は、忘年会、新年会が行われる第2四半期(12月から2月)、歓送迎会のシーズンである第3四半期(3月から5月)に売り上げが集中する傾向があるため、例年第1四半期は赤字決算である。しかし、今期は赤字幅が大幅に縮小していることから、当初計画通りに推移しているものと思われる。

今期(15年8月期)の連結業績見通し(10月15日公表)は、売上高が前期比1.7%減の99億80百万円、営業利益が同80.9%増の5億52百万円、経常利益が同2.0倍の5億93百万円、純利益が同2.5倍の3億35百万円、そして配当予想が同6円50銭増配の年間11円(第2四半期末5円50銭、期末5円50銭)と利益面で、過去最高益更新を見込んでいる。

株価の動きを見ると、今期大幅増益見通しを好感した10月戻り高値489円から反落し、概ね450円~470円近辺の小幅レンジでモミ合う展開で推移しているが、第1四半期の大幅な利益面での改善を評価すると、モミ合い上放れの展開だろう。

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