【アナリスト水田雅展の銘柄分析】マルマエは目先的な売り一巡、今期業績増額の可能性や収益改善基調を評価して14年8月高値目指す

銘柄分析

 精密部品加工のマルマエ<6264>(東マ)の株価は、第1四半期(9月~11月)業績発表を受けて1月14日は前日比123円安と急落した。ただし15日には前日比12円高と反発している。目先的な売りが早くも一巡したようだ。今期(15年8月期)業績増額の可能性や収益改善基調を評価して、14年8月高値1468円を目指す展開だろう。

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密加工事業を展開し、新規分野として光学装置分野などの精密加工も強化している。11年7月に事業再生ADRが成立し、売上拡大と生産性向上に取り組んでいる。

 1月13日に発表した今期(15年8月期)第1四半期(9月~11月)の業績(非連結)は売上高が前年同期比23.8%増の3億84百万円、営業利益が同51.2%増の41百万円、経常利益が同69.9%増の42百万円、純利益が同21.9%増の41百万円と大幅増収増益だった。

 FPD分野の受注は当社顧客のシェア停滞の影響で低水準だったが、半導体分野の受注が増加し、その他分野もスマートフォンやタブレット端末関連製造装置向けの受注が好調だった。増収効果や生産性向上効果で営業損益が大幅に改善した。売上原価率は74.6%で同1.4ポイント改善した。

 通期の業績(非連結)見通しは前回予想(10月14日公表)を据え置いて売上高が前期比0.9%増の16億円、営業利益が同17.8%減の2億20百万円、経常利益が同21.7%減の2億円、純利益が同30.6%減の2億10百万円としている。

 通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が24.0%、営業利益が18.6%、経常利益が21.0%、純利益が19.5%とやや低水準だったが、半導体分野の受注が増加基調であり、FPD分野も期後半の受注回復本格化が期待される。今期業績見通しには増額の可能性があり、一段の収益改善が期待される。

 14年12月度の月次受注残高(速報値)を見ると、半導体分野が1億46百万円、FPD分野が50百万円、その他分野が1億89百万円、合計が3億86百万円となり、前月比では7.4%増加、前年同月比では55.7%増加した。前月比では全分野が増加となった。半導体分野が増加基調であり、その他分野もリピート受注が継続している。FPD分野も引き合いが好転しているため、本格的な受注拡大が間近の状況のようだ。

 株価の動きを見ると、12月26日に戻り高値となる1180円まで上値を伸ばし、その後も1000円台で堅調に推移していたが、第1四半期業績発表を受けて1月14日は前日比123円安と急落した。ただし15日には前日比12円高と反発している。目先的な売りが早くも一巡したようだ。

 1月15日の終値975円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS120円37銭で算出)は8~9倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS86円03銭で算出)は11倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。目先的な売りで一旦反落したが、今期業績増額の可能性や収益改善基調を評価して8月高値1468円を目指す展開だろう。

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