【編集長の視点】AWSホールディングスはもみ合いも好業績、成長可能性を評価して下値に直近IPO株買いが継続

 AWSホールディングス<3937>(東マ)は、250円高の8440円と続急伸して始まったあと、200円安と下ぶれ、前週末8日取引時間中につけた2番底7510円を前にもみ合っている。

 同社株は、今年6月21日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、フィリピンでソフトウェアをオフショアシステム開発するグローバル事業や、レセプト点検ソフトウェア「Mighty Checker」の成長可能性や今3月期業績が2ケタ増益と加速が予想されていることを再評価して、下値には直近IPO株買いが根強く続いている。テクニカル的にも6月27日につけた上場来高値1万2070円からいったん7600円安値まで突っ込んだが、即ストップ高して9850円とリバウンドして下げ幅の半値戻しをクリアしており、この値動きの軽さや再現期待も買い手掛かりとなっている。

■グローバル事業とメディカル事業で成長戦略を積極推進

 同社のグローバル事業は、フィリピン子会社が、フィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者のみを中心に採用し、650名を超えるバイリンガルのITプロフェショナルを擁する体制を構築し、日本国内の技術者不足に対応するとともに、フィリピンの大手製造業向けにアプリケーションソフトウェアや組み込み系ソフトウェアを開発している。一方、「Mighty Checker」は、病院、診療所の診療行為間の関連チェックを実現し、算定漏れ・コメント漏れをチェックして正しいレセプトで請求し減額査定などを防止するパッケージソフトで、今年3月現在で導入医療機関数は1万769カ所に達している。同ソフトに加えて前期からはインターネット版の「Mighty Checker Cloud」、院内物流管理システム「Mighty SPD」などの新商品・新サービスの提供を開始しており、メディカル事業が好展開している。

 この両事業の成長戦略の推進から今3月期業績も好調で、売り上げ34億3400万円(前期比17.3%増)、営業利益2億7100万円(同40.0%増)、経常利益2億7000万円(同16.2%増)、純利益1億6700万円(前期は400万円の赤字)と予想されている。今年8月中旬にはIPO後の初決算となる今期第1四半期の発表を予定しており、好業績と成長可能性を再確認することになる。

■再調整幅の3分の1戻しをクリアしストップ高を繰り返す急騰劇の再現期待を高める

 株価は、公開価格2490円でIPOされ8350円で初値をつけ2日間のストップ高を交えて上場来高値1万2070円まで買い進まれ、英国の「欧州連合(EU)離脱ショック」の波及でストップ安し7600円安値へ突っ込んだが、即底上げ、再びストップ高して9850円の戻り高値をつけ、最高値からの調整幅の半値戻しを達成した。足元は、戻り高値からIPO時につけた上場来安値7120円に迫る7510円安値へ下ぶれ、きょう寄り付きの高値でこの下落幅の3分の1戻し水準までリバウンドしている。この値動きの軽さを手掛かりに直近IPO株買いが拡大し半値戻しから戻り高値を奪回し、さらに全値戻し期待も高めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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