【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】肺炎球菌ワクチンの最新の投与スケジュール

日インタビュ新聞ロゴ

ドクター箱崎幸也の健康増進実践法 「肺炎後の廃用症候群」は本当に恐ろしい病気です。現在我が国では、肺炎の原因細菌で最も多い肺炎球菌には2種類の肺炎球菌ワクチン接種が可能です。今月は最新の推奨されている投与スケジュールを解説させて頂きます。

 この冬に「肺炎後廃用症候群」になられたご家族から、かかりつけ医からは従来型の23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23、ニューモバックス)の説明はあったが、新しい13価肺炎球菌統合型ワクチン(PCV13、プレベナー)を教えてくれなかったと苦情を受けたことがあります。2種類のワクチンは免疫に働きかける作用が異なり、プレベナー接種でより長期的に優れた予防効果が期待できます。

(1)ワクチン未接種で65歳,70歳と5歳間隔の方は、地方自治体の助成があり助成対象かどうか確認して下さい。まず助成を利用されてのニューモバックス接種をお勧め致します。1年以上経過してからプレベナー接種を受けて下さい。そして最初のニューモバックス接種から5年以上経過していますと、再度ニューモバックスを接種して下さい。

(2)5歳間隔の谷間の未接種の方は、上記の投与方法か、最初にプレベナー接種後の6ヶ月~4年以内にニューモバックス接種を受けるスケジュールもあります。

(3)既にニューモバックスを接種された方は、5年以上経過していますと再度ニューモバックス接種の選択肢があります。まだ明確な科学的根拠は明示されていませんが、ニューモバックスから1年以上経過された方はプレベナー接種がより有効と報告されています。

 高齢者の方の肺炎は、いったん負のスパイラルに陥ると元の状態に回復するのは非常に困難です。肺炎を発症してしまってからでは遅いので、元気なうちに肺炎球菌ワクチン接種を受けて下さい。予防が最大の防御です。特に糖尿病や喘息などの基礎疾患のある方は肺炎発症のリスクが高いので、早めに接種を考慮なさって下さい。(箱崎幸也=元気会横浜病院々長、元自衛隊中央病院消化器内科部長)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る