【注目銘柄】ブイ・テクノロジーは大型案件受注が相次いで17年3月期大幅増益予想、さらに増額余地

注目銘柄

 ブイ・テクノロジー<7717>(東1)に注目したい。海外大手パネルメーカーからの大型受注が相次いでいる。17年3月期大幅増益予想で、さらに増額余地がありそうだ。株価は7月高値から反落したが、調整一巡して出直りが期待される。

■FPD製造装置の大型受注が相次ぐ

 FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置メーカーである。M&Aも活用して検査装置と露光装置を主力としている。

 海外大手パネルメーカーからの大型受注が相次いでいる。17年3月期業績に寄与する案件として、15年9月連結子会社VNシステムズ(旧NSKテクノロジー、15年6月連結子会社化して社名変更)がカラーフィルター用露光装置(総額51億円)を受注、15年11月VNシステムズがカラーフィルター用露光装置(総額70億円と総額40億円の2件)を受注、16年5月検査装置(総額60億円)を受注、16年8月検査装置(総額60億円)を受注、18年3月期以降の業績に寄与する案件として、16年3月VNシステムズがカラーフィルター用露光装置(総額150億円)を受注、16年8月製造装置(総額80億円)を受注した。

 なお輸出販売は原則円建てで行われている。一部に外貨建て決済があるが、必要に応じて受注時に、為替予約によって為替変動リスクをヘッジしている。したがって装置販売に関する為替レート変動による影響は軽微としている。

■17年3月期大幅増益予想、さらに増額余地

 今期(17年3月期)第1四半期(4~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比97.2%増の101億01百万円、営業利益が同3.8倍の12億76百万円、経常利益が同3.3倍の10億76百万円、純利益が同3.0倍の5億43百万円だった。非接触センサーを用いた検査装置メーカーOHT(広島県福山市、16年4月連結子会社化)の新規連結も寄与して大幅増収増益だった。受注高は同12.6%増の178億07百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月10日公表)を据え置いて、売上高が前期(16年3月期)比14.9%増の450億円、営業利益が同55.2%増の40億円、経常利益が同70.0%増の38億円、純利益が同92.0%増の19億円としている。第1四半期の進捗率は売上高が22.5%、営業利益が31.9%、経常利益が28.3%、純利益が28.6%と高水準である。大型案件も寄与して増額余地がありそうだ。

 FPDパネル製造装置市場に関しては、特に中国において、有機ELディスプレイ(OLED)およびテレビ用大型液晶パネルの工場新設等に係る大規模設備投資が続く見通しだ。当面の受注環境は良好であり、17年3月期および18年3月期の収益拡大が期待される。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価の動きを見ると、7月高値1万4730円から反落して水準を切り下げている。9月14日には直近安値となる9770円まで調整した。週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込んだ。ただし26週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。調整一巡して出直りが期待される。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■半導体パッケージの微細化に対応、LDI露光で1.0μm幅パターンを実現  旭化成<3407>(東…
  2. ■物流費やエネルギーコストの上昇受け、企業努力では限界  亀田製菓<2220>(東証プライム)は5…
  3. ■約100種類の実践講座で次世代エンジニアを育成  トヨタグループ5社は5月22日、AI・ソフトウ…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  2. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  3. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  4. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  5. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  6. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る