【編集長の視点】ベイカレントは初決算の2Q2ケタ増収益業績を手掛かりに直近割安IPO株買いが拡大し5連騰

 ベイカレント・コンサルティング<6532>(東マ)は、59円高の1843円と5営業日続伸して始まっている。同社株は、今年9月2日に新規株式公開(IPO)され、前週末14日に発表したIPO後の初決算となる今2月期第2四半期(2016年3月~8月期、2Q)累計業績が、2ケタの増収増益と続伸して着地したことから、割安として直近IPO株買いが増勢となっている。テクニカル的にも、上場来高値1999円から上場来安値1412円まで調整した調整幅の半値戻し水準をクリアしており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」への期待を高めている。

■業界随一の幅広い顧客基盤を誇り稼働率も平均90%超と高水準

 2Q累計業績は、売上収益87億2900万円(前年同期比14.5%増)、営業利益18億6100万円(同19.2%増)、税引前利益17億9000万円(同77.3%増)、純利益12億円(同94.2%増)と大きく伸びた。同社は、従業員1189名(2016年6月末現在)を擁し、金融、ハイテク・通信・メディアを中心に業界随一の幅広い顧客基盤を誇る経営コンサルティング会社として、戦略・ビジネスコンサルティング事業では、IT関連の新規事業戦略立案や業界再編、規制緩和などに関連するM&A、事業再編関連業務など高付加価値サービス案件を積極的に獲得し、ITコンサルティング事業では、ITグランドデザインやセキュリティ、ITコスト削減関連の案件数の拡大と平均単価向上を両立させ、システムインテグレーション事業では、基幹業務システムをはじめクラウドサービスなどの設計開発から実装までを幅広く対応している。コンサルティング市場では、大手金融機関などの情報システム投資やグローバル展開に対応するためのIT投資が積極化されており、2Q累計のセグメント別売上収益では、ITコンサルティングが48億1009万円(同30.8%増)、戦略・ビジネスコンサルティングが17億7660万円(同7.3%増)と好調に推移したことなどが寄与した。

 今2月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売上収益182億8200万円(前期比15.5%増)、営業利益40億4500万円(同25.8%増)、税引前利益39億1500万円(同51.6%増)、純利益25億700万円(同61.6%増)と見込み、連続して過去最高を更新する。

■IPO株の投資鉄則「小さく産んで大きく育てる」の絶好機で全値戻しから公開価格奪回

 株価は、2100円を公開価格にIPOされ、資金吸収額が283億円と今年3番目の大きさとなったことが響いて公開価格を下回る1963円で初値をつけ、1999円と小戻したものの上場来安値1412円まで下値を探った。同安値からはPER8倍台は下げ過ぎとして底上げ、最高値から最安値までの下落幅の半値戻しをクリアし、きょう17日は3分の2戻し水準までリバウンドした。IPO株の投資鉄則は、「小さく産んで大きく育てる」とされており、この半値戻し水準は絶好の投資チャンスを示唆しており、全値戻しの最高値奪回から公開価格回復を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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