【編集長の視点】グッドスピードは新規店舗資産取得で「SUV販売台数日本一」の中期経営目標を見直して急反発

 グッドスピード<7676>(東マ)は、前日8日に125円高の3120円と急反発して引け、東証マザーズ市場の値上がり率ランキングの第10位に躍り出た。今年6月14日に発表したMEGA専門店用の固定資産取得を見直し、同社が、中期経営計画の目標に掲げる「SUV販売台数日本一」の達成に弾みがつくとして直近IPO(新規株式公開)株買いが再燃した。テクニカル的にも、上場来安値から上場来高値への上昇幅の半値押し水準での値固めに煮詰まり感を強めており、再発進期待につながっている。
■「大垣店」、「知立店」の新規オープンに続き東海市に新店舗資産を取得

 同社は、愛知、岐阜、三重、静岡の東海4県を地盤にSUV(スポーツ多目的車)を中心に中古車販売事業を展開している。中古車販売店は、全国に約3万店数え、業界最大手でも年間販売台数は10万台規模でシェアも約5%にとどまっている。同社の2018年9月期の販売台数は、7444台で市場シェアは0・3%、業界順位は7位と推定されているが、東海エリアで最大級のSUVの在庫数と豊富な車種品揃え、高い専門性、さらに従業員のスキルの高さから中期経営目標として「SUV販売台数日本一」を掲げている。このため、販売拠点を毎期2店舗新規開業しており、今2019年9月期も、昨年12月に同社初の自動車買取店「大府有松インター買取店」、今年2月に「MEGA 大垣店」をそれぞれ新規オープンしたのに続き、8月3日には中古SUV専門店の「グッドスピードMEGA SUV 知立店」(愛知県知立市)を新規開店させる。これに加えて、愛知県東海市にMEGA専門店の店舗用地として土地・建物の固定資産を6億7600万円で取得したもので、成長戦略が加速することになる。

 業績も順調に推移し、今2019年9月期通期業績は、IPO時の予想通りに売り上げ256億4000万円(前期比12.7%増)、営業利益3億2000万円(同59.6%増)、経常利益2億2000万円(同47.4%増)、純利益1億2600万円(同38.0%増)を見込み、年間配当は10円を安定継続する。8月3日の「MEGA SUV 知立店」の新規オープンにより在庫台数が、国産車SUV、アメリカンSUVを含め史上最大の約240台に達するだけに、業績上ぶれ期待も高まってくる。

■上場来上昇幅の半値押し水準での値固めが煮詰まり25日線を上抜き再発進

 株価は、今年4月に1400円を公開価格にIPOされ1750円で初値をつけ、今期第2四半期(2018年10月~2019年3月期)累計業績の高利益進捗率着地や「知立店」オープンの先取りなどをテコに上場来高値4320円まで買い進まれ公開価格から3.08倍も大化けした。最高値後は、利益確定売りに世界同時株安の波及が重なって2751円まで調整し、足元では3000円台を出没して値固めを続けてきた。同水準は上場来上昇幅の半値押し水準となっており、この値固めも半月強経過し、売買高漸増とともに煮詰まり感を強め、前日8日取引時間中は3210高値まで買い進まれて一時、25日移動平均線を上抜いた。直近IPO株人気を再燃させて再発進し、次の上値フシとして6月5日につけた3740円が意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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