【どう見るこの相場】日米の金融会合を通過して不安定な動き、低位株への物色に注目

どう見るこの相場

■為替影響を受けにくい内需好業績株、低位株への物色へ

 21日の日米における金融政策決定会合という重要イベントを通過し、23日の日本市場はやや不安定な動きとなりそうだ。為替影響を受けにくい内需好業績株、個別好材料が出ている低位株への物色が強まりそうだ。

 日銀金融政策決定会合では「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という新たな金融緩和の枠組みの導入を決定した。これを好感する形で日本市場は円安・株高方向に動いた。一方の米FOMC(連邦公開市場委員会)では追加利上げを見送り、これを好感して米国株は大幅上昇した。NASDAQ総合指数は9月7日の史上最高値を更新した。

 為替は日銀金融政策決定会合後に1ドル=102円80銭近辺までドル高・円安方向に動いたものの、欧州市場では日銀が導入を決定した新たな金融緩和の枠組みの効果に対して懐疑的な見方が広がり、一転して1ドル=100円50銭台までドル安・円高方向に動いた。さらに米FOMC後は追加利上げ見送りと金利見通し下方修正を受けて、1ドル=100円10銭台のドル安・円高水準となった。

 こうしたドル安・円高方向の動きを受けて21日の先物市場では、日経225先物大証ナイト終値が通常取引終値比240円安の1万6490円、CME日経225先物(円建て)が1万6505円となった。

 日本市場が休場の22日の海外市場でもドル安・円高の動きが継続すれば、23日の日本市場では、日銀の緩和枠組み変更を好感した銀行株への買い戻しが継続する可能性はあるが、輸出関連株への売りを強めて、全体としてやや不安定な動きとなりそうだ。為替影響を受けにくい内需好業績株、個別好材料が出ている低位株への物色に注目したい。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る