【編集長の視点】ヒーハイスト精工は商い出来ずも2Qの連続高変化業績をテコに有配低位株買いが下値に継続

 ヒーハイスト精工<6433>(JQS)は9時50分現在、なお商いが成立していないが、前日終値水準では下値買いが入っている。今年11月14日に発表した今3月期4月~9月期(第2四半期、2Q)累計業績が、前年同期と同様に高変化して着地したことを手掛かりに有配低位株人気買いが続いている。テクニカル的にも、11月月初から続けている25日移動平均線を挟んだ三角保ち合いに煮詰まり感を強めており、10月19日につけた年初来高値276円を視野に入れて上放れ期待を高めている。

■レース用精密部品や液晶製造装置向けユニット製品などが好調推移

 同社の今期2Q累計業績は、ほぼ期初予想通りに売り上げ8億8400万円(前年同期比10.9%増)、営業利益4400万円(同93.8%増)、経常利益3300万円(同2.21倍)、純利益2500万円(前年同期は600万円の黒字)と大きく続伸した。新規顧客への提案型営業を進め、応用製品の開発・販売により収益基盤を強化しており、主力製品の直動機器では産業用機械業界や民生向けの売り上げが堅調に推移し、精密部品加工ではレース用部品の売り上げが増加、ユニット製品では液晶製造装置向けなどの売り上げが伸び、生産性向上、原価低減の収益改善に取り組んだことなどが要因となった。

 3月通期業績は、期初予想に変更はなく、売り上げ16億6700万円(前期比2.4%増)、営業利益8700万円(同30.4%増)、経常利益8300万円(同50.0%増)、純利益5600万円(同74.0%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続更新し営業赤字を計上した2015年3月期からのV字回復を鮮明化する。配当も、前2016年3月期に1円の復配を実施したが、今期も1円配当を継続する。

■25日線水準の三角保ち合いを上放れPBR0.4倍の修正でまず年初来高値奪回

 株価は、今年10月に低位株物色の流れに乗って年初来高値276円まで5割高の急伸を演じ、ほぼ往って来いの189円安値まで調整したあと上昇転換した25日移動平均線を挟んだ200円水準での三角保ち合いを続けてきた。PER評価そのものは、業績水準が低位にとどまるため割高感は否めないが、PBR評価では0.42倍と大きく割り負けている。有配低位株の値ごろ妙味と業績の連続大幅増益をテコに三角保ち合いを上放れまず年初来高値を奪回し一段の上値チャレンジを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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