【編集長の視点】農業総合研究所はTPP関連法案成立と連続最高業績見直しが相乗し師走相場で再人気化方向

 農業総合研究所<3541>(東マ)は、前週末16日に15円高の4595円と続伸して引けた。12月9日に参議院でTPP(環太平洋経済連携協定)の承認法案や関連法案が可決、成立し、発効自体は、米国のトランプ次期大統領待ちと不透明となっているが、政府は、発効の可否に関わらず関連予算を執行する意向であり、農業の収益力を高める攻めの農林水産業の実現を目指す政策支援が期待されるとして農業ベンチャー株人気が増勢となった。今8月期業績も連続の過去更新と予想され、テクニカル的にも一時は13%超も下方かい離していた25日移動平均線を回復しており、師走相場で一段の戻りを試す展開が期待されている。

■海外で需要の高まる日本産農産物のグローバル輸出をまず手初めに香港で予定

 同社は、農業生産者に「都市型農産物流通プラットフォーム」を提供して農産物を全国の物流センターやスーパーマーケットの直売コーナーに配送、農産物の産直を実現する「農家の直売所」事業を主力事業としている。同事業の登録生産者数、全国に設置している集荷場、さらに同委託販売システムを採用するス-パーマーケットの店舗数とも大きく伸びているが、そのうえにこの高成長ビジネスモデルをグローバルにも展開、今年8月に世界市場(東京都港区)の株式を取得して子会社化、海外で需要が高まる日本産農産物の輸出をまず香港で予定、その後、マレーシア、台湾などに拡大していくことを計画している。今回のTPP関連法案の成立は、この同社の成長戦略に大きな追い風となる。

 一方、同社の今8月期業績は、好調そのもので売り上げ15億6000万円(前期比30.6%増)、営業利益1億7000万円(同8.6%増)、経常利益1億6900万円(同4.0%増)、純利益1億900万円(同1.9%増)と予想、連続して過去最高を更新する。農家の直売所事業の今期の登録農業生産者が、前期比21.%増の7000名、委託販売システムのスーパーの採用店舗数が、同33.1%増の905店舗、スーパーなどで最終消費者が購入する最終販売価格の総計である流通総額が、同35.8%増の75億円と大きく続伸を見込んでいることなどが寄与する。

■25日線クリアで急騰特性の再現期待を強めて10月の戻り高値にキャッチアップ

 株価は、今年6月の新規株式公開(IPO)時に1050円の公開価格に対して1870円で初値をつけ、再三にわたる連続ストップ高を交えて上場来高値7460円まで買い進まれた。その後は、新興市場の人気離散とともに3955円安値まで下げ、前期業績の上方修正、今期業績の続伸予想などでいったん10月に5950円の戻り高値までリバウンドしたが、TPPに否定的な発言を続けた米国のトランプ次期大統領の当選などが響いて再び4000円台で下値を試す再調整となった。株価水準は、大きく下方かい離していた25日移動平均線をようやくクリアしており、勢いをつけ再三にわたりストップ高を繰り返した急騰特性の再現期待を高めて一段の戻りにトライ、まず10月の戻り高値5950円にキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭二)

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