【株式評論家の視点】シンシアはおしゃれ用コンタクトレンズが東南アジアで拡大へ

株式評論家の視点

 シンシア<7782>(東マ)は、12月16日に東京証券取引所所マザーズに上場した。創業以来、コンタクトレンズの中でも成長カテゴリーである、1日使い捨て、2週間交換、1か月交換タイプといった使い捨てコンタクトレンズに注力し、同社ブランド「L-CON」シリーズを中心として事業を展開している。

 2009年11月に視力補正を目的としないサークルレンズ、カラーコンタクトレンズといったおしゃれ用コンタクトレンズが医薬品医療機器等法の規制対象となったことを契機として、クリアレンズで培ったノウハウをおしゃれ用コンタクトレンズに生かすため、10年3月に1か月交換カラーコンタクトレンズ「FAIRY」を発売以来、おしゃれ用コンタクトレンズの需要の高まりと共にデザイン、使用期限等に対するおしゃれ用コンタクトレンズユーザーの多様なニーズに応えるため、「L-CON POP」シリーズ、「Ultimate PEARL」シリーズ、「Select FAIRY」シリーズ、「Miche Bloomin’」シリーズ、「EYE BEAUTY」シリーズといった、数多くのおしゃれ用コンタクトレンズブランドを発売している。 また、同社では取引先プライベートブランドコンタクトレンズの受託製造にも積極的に取り組むとともに専門知識と取引先の企画開発力を融合した商品を市場で展開している。

 今2016年12月期第3四半期業績実績は、売上高が37億7800万円、営業利益が4億1000万円、経常利益が1億8400万円、純利益が1億0800万円に着地。

 今16年12月期業績予想は、売上高が49億0400万円(前期比15.6%増)、営業利益が5億7600万円(同2.8倍)、経常利益が3億1900万円(同0.2%増)、純利益が1億9100万円(同9.6%減)を見込む。円高で海外からのレンズ調達時の為替ヘッジに絡んだ損失が発生すため減益となる見通し。上場で調達した資金は、ネット通販とドラッグストア向けの広告強化に充てる計画。配当は未定としているが配当性向3割以上をメドに実施する意向。

 株価は、12月16日に公開価格2100円を7.1%下回る1950円で初値をつけたが、同日の引けは2280円と公開価格を上回った。同19日は500円ストップ高の2728円と買い進まれた。新たな流通経路として、ドラッグストアルートで売上高、展開店舗数も堅調に拡大しているほか、おしゃれ用コンタクトレンズ(カラーコンタクトレンズ)が、台湾、香港、マレーシア、タイなど東南アジア市場での拡大が見込まれることから、高い成長が期待されている。外国人投資がクリスマス休暇入りで新規公開株に短期資金が向かっており、年末ラリーの候補としてIPO人気が続く可能性もありそうだ。(株式評論家・信濃川)

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