【株式評論家の視点】業績好調のテクノプロHD、上場後の高値更新

株式評論家の視点

 テクノプロ・ホールディングス<6028>(東1・売買単位100株)は今期、大幅増益で当面、好業績をキープするでしょう。株価は急騰後で一服局面ですが、依然としてPER低く買い余地十分です。早晩にも買い気は盛り上がり、上昇波動復活の可能性が高いと見られます。上場昨年暮れ上場後の高値を更新しています。

 同社は製造業を中心とした技術者派遣・請負を主力事業としており、とくに自動車、自動車部品、IT産業、建設業界での技術者派遣ニーズは高まりを見せています。ちなみに、技術者派遣ビジネスの市場規模は年々増加。2010年3960億円、2011年4150億円、2012年4300億円、2013年4450億円(推定)と毎年150億~190億円も拡大しているのです。

この流れは続いており、2014年もこの増加額を当てはめると4600億円前後、さらに2015年には4750億円へ市場は膨らむことが予想されます。となると、同社の売上規模も拡大傾向をたどることになるわけです。

同社の売上高は2013年6月期694億円から2015年6月期予想は796億円と2年間で約100億円も増えます。これは凄いことです。しかも、今期の第二四半期の時点で、技術者1人当たり売上高は前年同期に比べて1万2000円改善し月額61万1000円にアップ、稼働率も95.9%(前年同期比0.3ポイントの改善)となったのです。売上高の増加がストレートに利益に反映され、この体質が今期下期も継続されています。

こうしたことから、2015年6月期は前述したように売上高796億2600万円(前期比7.4%増)、営業利益70億800万円(同23.2%増)、税引き前利益65億円(同54.7%増)、当期純利益63億5100万円(同57.7%増)と増収大幅増益を確保する見込みです。

そして、来期も市場規模が年間で150億円前後増加すると、同社の売上高も間違いなく増加することになり、一人当たり売上高もアップするものと期待されます。ということは、2ケタ台の増収増益が期待されるわけであり、この点がハッキリしてくる局面で、同社の成長力が改めて株式市場で評価されることになりそうです。つまり同社株に投資をするなら、改めて高評価される前に、仕込んでおくのがベストでしょう。

同社は2014年12月に東証1部に新規上場を果たし、株価は12月15日1799円から2015年2月2767円まで買い進まれました。この上昇率は53%、上昇幅は約1000円となり、目先の目標は達成したとの見方が台頭し利食い売りが先行し現在では2600円どころで一息を入れています。

しかし、PERは14倍(今期予想一株当たり利益186円38銭)と高成長が期待できる銘柄にしては、依然として低く、評価不足の感が強いのです。加えて、信用買い残高が102万株とピークに比べて約半減したこともあり、需給関係は悪くありません。PER20倍の3700円前後を中期的な目標として買ってみたいところです。(志木克己)

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