【株式評論家の視点】富士ダイスは12日に第一部に市場変更、今期も連続最高益更新と観測

株式評論家の視点

 富士ダイス<6167>(東1)は、4月12日に東京証券取引所市場第二部から同市場第一部銘柄に市場変更した。同社は創業以来、主に超硬合金を用いた耐摩耗工具・金型の製造販売を行っている。 製造工程においては、顧客の製品素材や用途に最適な工具・金型を設計した上で、粉末冶金技術を用いて、原料粉末の粉砕・混合・造粒から、焼結、機械加工、製品検査までの一貫生産体制により、顧客の要望に応じた製品を提供している。

 同社は、「革新」の年度方針のもと、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に注力、持続的な成長を目指し、業務の効率化による収益率の向上、海外売上の拡大・国内市場の深耕、成長分野への注力に取り組み、昨年12月から建替えを進めていた熊本製造所製造棟は、同11月から稼動を開始し、生産効率の更なる向上を目指している。

 前2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高が121億7100万円(前年同期比2.3%増)、営業利益が7億6300万円(同27.7%増)、経常利益が7億4300万円(同31.5%増)、純利益が5億1900万円(同41.9%増)に着地。

 前17年3月期業績予想は、売上高が165億7100万円(前の期比3.2%増)、営業利益が10億8600万円(同12.8%増)、経常利益が11億4500万円(同19.4%増)、純利益が8億2700万円(同12.9%増)を見込む。年間配当は期末一括21円を予定している。

 株価は、3月6日につけた年初来高値845円から4月12日に年初来の安値662円と調整している。超硬製工具類では、海外向けの熱間圧延ロールや混錬工具が好調。超硬製金型類では、光学素子成形用金型が好調、製缶金型も好調なほか、その他の超硬製品では、粉末成形金型用の超硬合金チップや精密プレス金型用の超硬合金チップが引き続き好調。今18年3月期も連続最高益更新、増配と観測されており、5月11日に予定される本決算の発表に期待は持てる。TOPIX連動型投資信託への組み入れ期待が下支え、PBR0.8倍と割り負け、前期配当利回り3.0%と利回り妙味も増すことから、待ち伏せで買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る