【業績でみる株価】コーセーはボックス上放れ期待、17年3月期が計画超で18年3月期も増収増益予想

 化粧品の大手のコーセー<4922>(東1)は1日、730円高(6.9%高)の11300円まで上げて年初来高値を更新している。17年3月期連結業績が計画超の増収増益となり、18年3月期も増収増益予想である。株価は1万円を挟むレンジでのボックス展開だったが、好業績を評価して上放れの展開が期待される。上げ足を速める可能性もありそうだ。

 17年3月期の連結業績(4月24日に売上高を107億円、営業利益を21億円、経常利益を32億円、純利益を7億円、それぞれ増額修正)は、売上高が16年3月期比9.6%増の2667億62百万円で、営業利益が同13.1%増の391億60百万円、経常利益が同14.5%増の395億64百万円、そして純利益が同16.1%増の216億57百万円だった。

 売上高は4期連続、営業利益は3期連続で過去最高を更新し、経常利益と純利益も計画を上回った。国内主要3社(コーセー化粧品販売、アルビオン、コーセーコスメポート)の既存事業が順調に推移し、為替の円高影響、プロダクトミックスによる原価率上昇、および販売費や人件費の増加などを吸収した。

 18年3月期の連結業績予想は売上高が17年3月期比5.7%増の2820億円、営業利益が同6.0%増の415億円、経常利益が同5.9%増の419億円、純利益が同9.9%増の238億円としている。

 国内ではメイクアップ製品を中心とした新規顧客の獲得、スキンケアを中心とした顧客の固体化などで堅調に推移し、米国タルト社の成長も寄与する。想定為替レートは1米ドル=109円、1台湾ドル=3円30銭、1中国元=16円30銭の想定としている。中期成長に向けたグローバルブランドの育成を推進し、円高影響も一巡して好業績が期待される。

 株価は大勢として1万円を挟むレンジでのボックス展開だったが、17年3月期業績予想増額修正を好感する形で本日5月1日は年初来高値となる11300円まで上伸し、ボックスレンジ上限となっている。週足チャートで見ると13週移動平均線が上向きに転じてきた。18年3月期増収増益予想も評価してボックス上放れの展開が期待される。上げ足を速める可能性もありそうだ。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る