【業績でみる株価】日本水産は中期買いのタイミング、金属片混入問題をほぼ織込む、PER割安

業績で見る株価

日本水産<1332>(東1・売買単位100株)は缶詰の金属片混入という悪材料を織り込み、今期業績の好調と低PER、低PBRが評価されそうだ。

同社は水産業の老舗で、家庭用冷凍食品の大手。ファインケミカル事業も手掛けている。主力の水産事業が価格の堅調さと、シャケやタラの養殖事業の好調で2ケタ台の増収をキープ。また、食品事業も練り製品・魚肉ソーセージの伸長、チルド製品の拡大もあって売上高増となっている。ただ、ファインケミカル事業が薬価改定と後発品使用促進の影響により厳しい状況。

全体としてはこのファインケミカル事業の不振を水産、食品両事業の伸長でカバーし2015年3月期は売上高6100億円(前期比1.0%増)、営業利益175億円(同25.6%増)、経常利益200億円(同61.8%増)、当期純利益105億円(同2.8倍)と増収大幅増益を確保する見込み。予想一株当利益は38円(前期13円60銭)と高収益会社に変貌する。

来期はファインケミカル事業の不振が尾を引き、今期予想比1%の減収、10%の経常減益を余儀なくされるという観測が出ている。しかし、それでも来期の予想一株当たり利益は34円前後と高水準をキープする見通し。

株価は1月22日に、缶詰「さんま辛みそ煮」(100グラム)に金属片が混入したとして1万7580個を自主回収するという発表を行った。これを嫌気して、軟調に推移。2014年11月に427円の高値から最近では350円どころへ下落している。この下げで悪材料はほぼ織込み、出尽くし感が台頭。しかも、PERは10.5倍(来期の一株利益をベース)、PBR1.2倍弱と低く割安であることを評価して下値に個人の買い物が入り、26週線に接近し下げ渋っている。中期狙いでの押し目買い好機といえる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る