【業績でみる株価】ポーラ・オルビスホールディングスは上げ足速める可能性、17年12月期第1四半期大幅増益で通期予想増額修正

 化粧品大手で、訪販のポーラと通販のオルビスを2大ブランドとしているポーラ・オルビスホールディングス<4927>(東1)は、17年12月期第1四半期が大幅増益となり、通期予想を増額修正した。株価は16年7月の上場来高値に接近している。これを突破すればフシ抜けの形となって上げ足を速める可能性がありそうだ。

■ポーラの新製品が想定以上

 5月1日発表した17年12月期第1四半期(1月~3月)連結業績は、売上高が前年同期比13.2%増の560億74百万円、営業利益が同2.5倍の91億27百万円、経常利益が同2.6倍の89億55百万円、純利益が同59.8%増の57億77百万円だった。

 国内ブランドではオルビスが新商品苦戦などで同6.0%減収だったが、ポーラが同31.8%増収と想定以上に好調に推移し、全体を牽引して大幅増収増益だった。育成ブランドも伸長した。ポーラでは17年1月発売のリンクルショット メディカル セラムの売上が計画比に比べて30%を超える約60億円となり、想定以上に好調に進捗している。利益面ではポーラの高価格帯品の売上構成比が高まったことを主因として、原価率が想定以上に改善した。

 17年12月期第2四半期累計(1月~6月)および通期の連結業績予想を5月1日に増額修正した。修正後の通期連結業績予想は、売上高を60億円増額して16年12月期比6.6%増の2330億円、営業利益を25億円増額して同24.5%増の335億円、経常利益を25億円増額して同23.2%増の335億円、純利益を15億円増額して同23.2%増の215億円とした。ポーラの想定以上の好調が牽引し、プロモーション費用の増加などを吸収する見込みだ。リンクルショット メディカル セラムの売上目標は期初時点の100億円から125億円に上方修正した。

 修正後の通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.1%、営業利益が27.2%、経常利益が26.7%、純利益が26.9%となる。通期ベースでも好業績が予想され、通期予想には再増額余地がありそうだ。

■株価は上げ足速める可能性

 株価(17年4月1日付で株式4分割)は5月16日に2810円まで上伸し、2月の年初来高値2832円50銭、そして16年7月の上場来高値2852円50銭に接近している。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって13週移動平均線を回復した。強基調に回帰した形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待され、これを突破すればフシ抜けの形となって上げ足を速める可能性がありそうだ。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る