【株式評論家の視点】燦キャピタルマネージメントはクリーンエネルギー事業やインバウンド向け事業への取り組みが注目

株式評論家の視点

 燦キャピタルマネージメント<2134>(JQS)は、業績回復と向上のために、上場以来の中核事業である不動産を中心に、投資及び投資マネジメントという枠組みの中で、より安定した経営基盤を構築するため、事業及び経営体制のリ ストラクチャリング(再構築)を進め、国内外のクリーンエネルギー事業、宿坊を中心とするインバウンド向け事業、不動産事業への投資資金とし、新たな収益基盤の構築に尽力している。

 6月14日に「国際エネルギー機関(IEA)の予測に基づくと、2011年のタイ国内エネルギー消費量は石油換算で1億1870万トンであったが、35年には2億610万トンと倍増する見通し」と伝わったことを受け、同社がタイ国でバイオマス燃料の製造事業を進めていることが見直され、同日85円と急伸する場面も見られていた。

 今2018年3月期は、不動産事業では、訪日外国人(インバウンド)向け宿泊関連事業と資産運用向け販売用不動産事業を推し進めているほか、鳥取カントリー倶楽部では、本年開業40周年を迎え営業を強化。クリーンエネルギー事業では、将来的に同社の収益の柱にするため、投資を進めており、折に触れ物色の矛先が向かう可能性はある。

 今18年3月期業績予想は、売上高は5億1500万円(前期比78.1%増)、営業損益5700万円の黒字(同2億4900万円の赤字)、経常損益5300万円の黒字(同3億2200万円の赤字)、最終損益4600万円の黒字(同10億0800万円の赤字)と黒字転換を見込む。

 株価は、1月10日につけた年初来の高値94円から4月12日に年初来の安値57円まで調整を挟んで6月14日高値85円と上昇。上げ一服でモミ合っていたが、74円と下げて25日移動平均線に接近し、値ごろ感が出ている。インバウンド消費が好調と伝わっており、インバウンド向け宿泊関連事業と資産運用向け販売用不動産事業を手掛けていることも見直される可能性はあり、ここから切り返すか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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