【株式評論家の視点】ジグソーはビッグデータ活用で前期に続き今12月期も大幅増益、下値固めれば出直りも

株式評論家の視点

ジグソー<3914>(東マ)は、4月28日にマザーズに新規上場。初日は値段が付かず2日目の30日に公開価格2390円に対し3.3倍に当る8040円での初値スタートとなった。上場後の高値は8300円(30日)、同安値5700円(1日)で7日終値は5850円となっている。

IoT(モノのインターネット)ビッグデータをベースにしたオート・パイロット・サービス(Auto Pilot Service)とオリジナルのマネジメントプラットフォームベースにしたシステムマネジメントの自動化、あらゆる種類の柔軟なマネジメントサービスをトータルで提供している。従来からのクラウドインフラやサーバ、周辺機器やソフトウェア、監視カメラ等のマネジメントにとどまらず、あらゆるIoTプロダクトやデバイス、サービスを対象にA&Aコンセプトを軸にデータ・コントロールサービスを提供している。

ターゲットとするシステム運用・保守サービス市場は、現在、国内で約3.7兆円市場(2013年度)と矢野経済研究所では試算しているが、IoT、ビッグデータ、ウェアラブルなどインターネット上の新しいサービスやビジネスモデルが次々と出現するなど、マーケットは広がっており、現在も成長を続けている。

このような環境の下、同社の既存案件数の積み上がり及び新規案件獲得の拡大は順調に進んでいる。特にクラウド関係の市場拡大により、売上は順調に拡大している。昨年10月には札幌本店を移転し「SCC(札幌コントロールセンター)」を開設し、より一層質の高いサービス提供のための基盤を固めている。

前2014年12月期業績実績は、売上高が5億0500万円(前の期比33.3%増)、営業利益が6200万円(同95.6%増)、経常利益が6100万円(同90.2%増)、純利益が7900万円(同3.4倍)に着地。

今12月期業績予想は、売上高が6億8800万円(前期比36.1%増)、営業利益が1億5300万円(同2.5倍)、経常利益が1億4400万円(同2.4倍)、純利益が1億円(同26.1%増)と続伸を見込んでいる。

今後さらなる成長とその成長基盤となる「自動化」を積極的に推し進めるため、優秀なエンジニア等の採用と確保等を図るとともに、オートセンサリング&オートディレクション(A&A)技術開発と監視ロボット、人工知能とスマートマシンの研究開発にも取り組んでいることが注目される。足元の業績は好調に推移。システム運用・保守サービス市場の将来性を考えると、5700円処で下値を固めてくれば、売り一巡感から目先のリバウンドも期待されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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