【編集長の視点】アスカネットは反落も減益転換業績を織り込みAIプレート関連の急騰特性再現に期待つなぐ

 アスカネット<2438>(東マ)は、前日3日に28円安の1807円と3営業日ぶりに反落して引けた。25日移動平均線を挟んで中段固めを続け、7月2日投開票の東京都議会選挙で与党・自民党が大敗、株価もやや波乱となったことから同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ同社がグローバル展開を積極化している空中結像技術製品「AIプレート」は、今年6月30日発表の新光商事<8141>(東1)の中国、香港での販売活動スタートに続き、今年7月5日から開催される「店舗販促EXPO」(東京ビッグサイト)に出展され認知度が一段と高まる方向にあり、AIプレート関連の急騰特性再現期待は依然として続いている。今2018年4月期業績は、前期の最高業績からAIプレートの量産開始投資などで小幅減益予想にあるが、織り込み済みとの市場コンセンサスが形成されていることも、フォローの材料視されている。

■明5日開催の「店舗販促EXPO」で過去最大の壁面空中サイネージをアピール

 AIプレートは、同社が、メモリアルデザインサービス(MDS)事業、パーソナルパブリッシングサービス(PPS)事業に続き経営の第3の柱として、エアリアルイメージング(AI)事業として自社保有の特許技術を駆使して事業化している空中に立体映像を創出する最先端技術製品で、国内はもとより今年1月には米国ラスベガスで開催された「CES(コンシュ-マー家電見本市)2017」では、BMWのコンセプトカーに搭載されるなど事業化に向けての進展が著しい。今期は、この事業化をさらに加速するため、今年5月の英国ロンドン、同6月の米国オーランド、今年12月開催予定のUAEドバイの各イベントに出展し、7月5日から開催される「店舗販促EXPO」でも、過去最大サイズの壁面空中サイネージをデモンストレーションする。新光商事の販売活動開始とともに、事業化の加速への期待が高まる。

 今2018年4月期業績は、このAI事業の海外・国内展示会への出展費用や量産化技術の開発費用が増加し、PPS事業でも生産設備、人員増強負担が重なって、売り上げ56億9600万円(前期比4.7%増)、営業利益7億7100万円(同3.7%減)、経常利益7億7600万円(同3.6%減)、純利益5億4100万円(同5.5%減)と前期の過去最高からの小幅減益転換を見込んでいる。ただAI事業の売り上げは、小ロット案件が中心となった前期の6000万円(前々期比3.4%増)から1億6000万円(前期比2.6倍)と見通しており、国内外でのアピールから業績上ぶれ要因として注目されている。今期予想業績が、市場コンセンサスを下回ったことも、業績上ぶれ余地を示唆している。

■今年1月の連続ストップ高の再現期待を強め25日線水準から上値にチャレンジ

 株価は、今年1月の米国ラスベガスの「CES」出展で2日間のストップ高を交えて1878円まで8割高し、その後のロボットベンチャーとの資本業務提携、4半期決算の高利益進捗率などが加わって年初来高値2514円まで上値を伸ばした。同高値後は、今期業績の減益転換予想で1771円安値へ下ぶれ、AI事業の好材料続出とともに25日移動平均線水準までリバウンドし中段固めを続けてきた。急騰特性再現の思惑を強めて上値にチャレンジし、年初来高値へのキャッチアップを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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