【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ネットワークバリューコンポネンツは15年12月期大幅増益見通しを好感して急伸

銘柄分析

ネットワーク関連製品のネットワークバリューコンポネンツ<3394>(東マ)は、2月13日に前期(14年12月期)決算を発表した。株価は調整局面だったが、今期(15年12月期)の大幅増益見通しを好感して16日はストップ高の3430円まで急伸した。調整が一巡して反発局面だろう。

情報通信ネットワーク関連製品の輸入販売・運用・保守事業(ネットワークソリューション事業およびネットワークサービス事業)を展開している。

クラウド関連、モバイル関連、セキュリティ関連、サービス関連などを重点分野として海外の先端技術を開拓し、国内を代表するIT先進企業へ最適なソリューションとして提供する。企業内セキュリティ対策チームをバックアップするNVCプライベートSOC運用支援サービスも提供している。ライセンス収入や保守・運用収入などの売上構成比が高く、ストック型の収益構造であることも特徴だ。

中期成長に向けて先端的ネットワーク関連商品の投入、パートナー企業との協業推進などでプロジェクト単位での受注拡大を目指している。

13年5月新日鉄住金ソリューションズ<2327>と資本・業務提携し、13年8月米ニクサン社のネットワーク監視ソリューション製品に関する販売代理店契約、13年10月カナダのノビフロー社が開発したオープンフロー関連製品の国内独占販売代理店契約、14年1月モバイル用作業報告書自動作成アプリを提供するG-Smart社(東京都台東区)と販売代理店契約、14年9月米スレットストップ社のリアルタイムIPおよびドメインレピュテーションサービスに係る国内販売代理店契約を締結した。

1月28日にはユニファイド・セキュリティー・サービス部門の新設を発表した。セキュリティ商材の販売、設計構築、保守サービス、マネージドサービスなど、従来各部門で個別に行ってきた各種セキュリティサービスを統合し、より質の高いサービスの提供を目指すとしている。

2月12日にはアレイ・ネットワークス社の製品トレーニングセンターの開設を発表した。今後一層の広がりが予想されるアプリケーション配信制御市場の需要を見越して、パートナーやエンドユーザー向けに製品トレーニングを実施する。

2月13日に発表した前期(14年12月期)の連結業績(11月13日に売上高と営業利益を増額)は、売上高が前々期比15.3%増の28億81百万円、営業利益が同49.7%減の28百万円、経常利益が同77.2%減の8百万円、純利益が66百万円(前々期は1億02百万円の赤字)だった。

低採算案件の増加、円安による売上総利益率の低下、そして子会社イノコスの不振が影響して減益だったが、単体ベースでは官公庁・電力向けなど大型案件の出荷が順調に進んだ。純利益は貸倒引当繰入額や子会社イノコス株式評価損の一巡、そして投資有価証券売却益も寄与して黒字化した。

事業部門別の売上状況を見ると、ネットワークソリューション事業は無線LAN関連やセキュリティ関連が好調で同25.8%増収、ネットワークサービス事業は当社独自のサービス商品が順調だったが、イノコスの保守の不振が影響して同0.6%減収だった。

今期(15年12月期)の連結業績見通し(2月13日公表)は、売上高が前期比6.9%増の30億81百万円、営業利益が同6.1倍の1億76百万円、経常利益が同19.6倍の1億57百万円、そして純利益が同36.0%増の89百万円としている。

先端的なネットワーク関連商品の投入、パートナーとの協業強化、自社サービスの推進に取り組み、セキュリティ、モバイル、クラウドの重点3分野での事業展開に注力するとしている。子会社イノコスの収益改善が課題だが、単体ベースの好調が牽引して増収増益が期待される。

株価の動きを見ると、急伸した14年11月高値8500円から反落して調整局面だったが、3000円近辺で下げ渋り感を強めていた。そして今期の大幅増益見通しを好感して2月16日はストップ高の3430円まで急伸した。

2月16日の終値3430円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円06銭で算出)は36倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS218円52銭で算出)は16倍近辺である。

週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を一気に突破した。調整が一巡し、今期大幅増益見通しを好感して反発局面だろう。

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