【業績でみる株価】船場は戻り歩調で6月高値に接近、17年12月期減益予想だが受注高水準で18年12月期収益拡大期待

 船場<6540>(東2)は商業施設の設計・施工を展開している。工事原価の上昇などで17年12月期減益予想だが、受注高水準で18年12月期は収益拡大が期待される。株価は戻り歩調で6月の上場来高値に接近している。これを突破すれば上げ足を速める可能性がありそうだ。

■商業施設の設計・施工

 商業施設の設計・施工を展開している。ショッピングセンターづくりで培ったノウハウをベースとして、調査・分析から、コンセプト策定、基本構想計画、基本設計、実施設計、監理、施工、運営支援まで一貫しての業務受託を強みとしている。

 事業戦略の基本には「商環境の変化を捉えて成長機会を獲得する」を掲げ、国内および海外の大型プロジェクトの獲得、公共空間における付加価値創造の事業化を推進している。中期計画では目標数値に19年12月期売上高340億円、営業利益21億円を掲げている。

■17年12月期減益予想だが、受注高水準で18年12月期収益拡大期待

 17年12月期連結業績予想(7月31日に利益を減額修正)は、売上高が16年12月期比8.6%増の300億円、営業利益が9.6%減の15億50百万円、経常利益が10.0%減の15億50百万円、純利益が8.0%減の10億10百万円としている。配当予想は9円増配の年間35円(期末一括)としている。

 売上面では、大型店舗の投資抑制に加えて、海外案件が大口顧客の投資の端境期にあたるが、都市開発プロジェクト関連や専門店関連の受注が高水準である。利益面では、外注比率の高い施工案件の増加に伴って工事原価が上昇し、人員増に対応するためのオフィス移転費用も影響する見込みだ。

 第2四半期累計(1~6月)は、売上高が5.0%増収、営業利益が18.2%減益、経常利益が16.7%減益、純利益が6.1%減益だった。施工物件増加で増収だったが、売上総利益率低下や販管費増加で減益だった。受注は高水準で、第2四半期末の受注残高は17.8%増となった。大型開発プロジェクトではイオンモール新小松、三宮オーパ2などを獲得した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.3%、営業利益が48.6%、経常利益が50.2%、純利益が51.1%と順調な水準である。17年12月期は減益予想だが、受注が高水準であり、18年12月期は収益拡大が期待される。

■株価は6月の上場来高値に接近、フシ突破すれば上げ足速める可能性

 株価は8月の直近安値1130円から切り返して戻り歩調だ。そして10月12日には1290円まで上伸して6月の上場来高値1299円に接近した。10月19日の終値は1247円、今期予想連結PERは12倍近辺、時価総額は約123億円である。

 週足チャートで見ると高値圏の1300円近辺がフシの形だが、これを突破すれば上げ足を速める可能性がありそうだ。(MM)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■60億円の設備投資と記念商品で90年の歴史を祝う  ニッカウヰスキーの創業90周年を機に、アサヒ…
  2. ■12フィートコンテナ80個積載、迅速な物資輸送を実現  センコーグループホールディングス(センコ…
  3. ■主要アパレルブランドのさらなる成長と周辺事業への拡張を目指す  三井物産は6月3日、アパレルブラ…
2024年7月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■熱中症予防対策で家電メーカーや家電量販店も注目  今週の当コラムでは、「確トラ」と「もしハリス」…
  2. どう見るこの相場
    ■予想可能性相場は意外とロングランとなる可能性も  「一難去ってまた一難」である。前週7月第3週は…
  3. ■割安な6銘柄が33%上昇!今後も高騰期待株続々浮上  東証の集計によれば、2005年以降、今年7…
  4. ■サマーラリー目前!投資家は今こそ2年スパンで考えるべき  「株価は半年先を予測する」といわれる。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る