【業績でみる株価】フェローテックホールディングスは日柄調整完了して上値試す、18年3月期利益予想は3回目の増額余地

 フェローテックホールディングス<6890>(JQ)は半導体等装置関連事業、太陽電池関連事業、電子デバイス事業を展開している。半導体等装置関連事業の好調が牽引して18年3月期利益予想は3回目の増額余地がありそうだ。株価は01年来高値圏から一旦反落したが、日柄調整完了して上値を試す展開が期待される。

■半導体等装置関連事業、太陽電池関連事業、電子デバイス事業を展開

 半導体等装置関連事業(真空シール、金属加工製品、マテリアル製品など)、太陽電池関連事業(シリコン結晶製造装置、シリコン製品など)、電子デバイス事業(サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体など)を展開している。真空シールは世界シェア約6割である。

 マテリアル製品の旺盛な需要に対応するため、石英製造ラインの増設を断続的に実行し、17年7月CVD-SiCの韓国工場、8インチウェーハのインゴッド銀川工場および上海ウェーハ工場、9月セラミックス製品の杭州工場を竣工した。また8インチウェーハの2次ライン以降について新工場設立を杭州市に決定した。19年下半期中の生産開始を予定している。

■18年3月期利益予想は3回目の増額余地

 18年3月期の連結業績予想(11月14日に増額修正、利益は8月14日に続いて2回目の増額修正)は、売上高が17年3月期比15.1%増の850億円、営業利益が49.7%増の85億円、経常利益が32.1%増の75億円、そして純利益が35.1%増の44億円としている。配当予想は4円増配の年間22円(第2四半期末12円、期末10円)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比14.2%増の429億83百万円、営業利益が33.2%増の44億98百万円、経常利益が83.0%増の38億57百万円、純利益が2.2倍の22億99百万円だった。

 デバイスメーカー各社の設備投資や設備稼働率が堅調に推移し、半導体等装置関連事業のマテリアル製品が大幅伸長した。太陽電池関連事業の低迷を吸収して大幅増収増益だった。マテリアル製品におけるミックス変化、量産効果による歩留まり向上、営業外における為替差損の減少なども寄与した。半導体等装置関連事業は28.5%増収・84.5%増益、電子デバイス事業は2.8%増収・21.1%増益だった。太陽電池関連事業は6.3%減収で赤字が拡大した。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が52.9%、経常利益が51.4%、純利益が52.3%である。半導体等装置関連事業の好調が牽引し、通期利益予想に3回目の増額余地がありそうだ。

■株価は日柄調整完了して上値試す

 株価は11月24日に01年来高値圏となる2480円まで上伸した。その後は利益確定売りで一旦反落したが、2300円近辺で推移して日柄調整完了感を強めている。12月29日の終値は2300円、今期予想連結PERは約18倍、時価総額は約852億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。日柄調整完了して上値を試す展開が期待される。(MM)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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