【株式評論家の視点】ホクリョウは上場後強い展開、鶏卵の大手で今期37%増益

株式評論家の視点

<銘柄の見所>

 ホクリヨウ<1384>(東2・売買単位100株)は、2月20日の新規上場初値501円に対し535円と買われ堅調な展開となっている。IT企業のような派手さはないが、同社の将来性は明るく、しかも低PER、低PBRで上値余地は充分にあるだろう。

 同社は北海道を基盤にした鶏卵の生産・販売会社である。消費者から同社が生産した鶏卵に対して高い支持を受けている。同社の全鶏舎は長年の技術と経験から考案されたウインドレスとなっており、インフルエンザ、サルモネラ菌などの危険から完全に防除している。また、一般の鶏卵生産者は120日ぐらいに育った雛を外部から購入しているが、同社の場合は孵化したばかりの雛を専用の育成農場で生育させ、徹底的な品質向上を図っている。

北海道内に9つの農場と7つの選別包装工場を展開しているが、2014年4月に岩手県の同業を買収して本州進出に乗り出した。

2015年8月期の業績は買収効果が表面化して、売上高149億700万円(前期比12.6%増)、営業利益4億8400万円(同37.4%増)、経常利益5億2600万円(同27.1%増)、当期純利益2億6900万円(同5倍)を確保する見通しだ。予想一株当たり利益は41円35銭(前期9円39銭)にアップする。配当は年10円(前期20円)を予定している。これは2014年11月12日付で1対3の株式分割を実施しているために、実質的には5割の増配となる。

今後、本州での販売拡大に積極的に取り組んでいく方針で、業容はますます拡大するものと期待されており、当面は増収増益基調を堅持していくものと見られる。

同社は2015年2月20日に東証第2部に新規上場したばかりだが、2月20日の473円安値から3月4日に535円の高値を付けた。IT企業のような高成長株という企業ではないが、それでも前述したように鶏卵の販売網拡大で同社の業績見通しは明るい。この点を勘案すると同社株のPER13倍弱、PBR0.7倍は評価不足の感が強い。信用買い残高が24万株強と増加しているが、買い方の回転は効いている。PER20倍の830円どころが中長期的な目標となろう。(志木克己)

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